年度末から年度始めにあたるこの時期は、これまで勤務していた学生アルバイトさんの何割かが就職あるいは遠方に進学する。そのため彼らは退職し、後任アルバイトとして新しい学生さんたちを雇用することになる。しかし、彼ら新しいアルバイトさんたちが仕事に慣れて実動力が高くなるまでの期間は、人手はあっても人手不足の状態にあるため、全体的に従業員の息切れ具合が高くなる。とはいえ、これは、毎年いつものことで、この時期は踏ん張りどころなのはわかっていることであるから、まあ、なんとかやり過ごす。 そんな新しいアルバイトさんの中に、高校生男子が一人いる。彼は店内の商品たちの何がどこにあるのかをおおまかには把握しているものの、こまかなものになると、当然だけどまだわからない。先日、二週間前後前のことだろうか、彼がわたしのところに小走りでやってきて「すみません。高齢者の健康飲料、というのは、どこにあるんでしょうか。広告で