即位祝賀パレードでの両陛下 大代表撮影 伝統、といいますが、いまの皇室は伝統よりも大衆的人気を中心として捉えられています。戦後に始まった皇室の改革には、国民との距離を近づける大きな効果がありました。けれども、大衆化が始まったこと自体は、皇室を政治化した明治以来のこと。 その当然の流れで、今があるわけです。そんな中、女性皇族は注目され、黙って淑やかにしていることを期待されるなど、振る舞いをとやかく言われるようになりました。週刊誌などは、皇室の嫁姑問題を口さがなく報じます。つまり、伝統を重んじているようでいて、実は大衆社会の方がその当時の「世間的道徳観」を皇室に押し付けているわけです。 「女性が、自分の夫の存在によってのみ社会的に規定される」ことは、私にとっては耐えがたいこと。けれども、高齢世代にはそうした価値観が残っています。ですから、急進的に物事が変わるだろうとも思いません。さらに特別な身