チリの地震で発生した津波による国内の農林水産分野での被害額が、12日時点で59億2400万円に上ることが農林水産省の調査で分かった。被害状況の全容はまだ明らかになっておらず、今後も被害額が拡大するとみられる。 被害は宮城、岩手、三重、徳島、高知、青森、福島、神奈川の8県で確認された。最も被害を受けたのは宮城県で40億4600万円。次いで岩手県が17億6千万円。被害が2県に集中したのは、長い海岸線を生かした養殖業が盛んなためだ。 三重県の被害額は6500万円。真珠の養殖施設でも被害が確認されているが、被害額の特定は進んでいない。 全国の被害の内訳は養殖のワカメやコンブ、ノリ、カキなどの水産物の死滅による損失が33億9100万円、これらの養殖施設の損壊が24億5500万円で被害の大半を占める。宮城県などを中心に、復旧支援のために国の激甚災害に指定するよう求める動きが出ている。