幼い子に、なぜ虐待の矛先を向けるのか――。大阪府内で3月中旬から4月中旬のわずか1カ月間で、5件6人の保護者が殺人や傷害、同致死容疑で逮捕される異例の事態となった。生活難からのストレス、感情を制御できない未熟さ、育児の孤立……。事件の形態や動機、背景を探ると、そんなキーワードが浮かび上がった。 ◇ 「夫が働かず、ストレスをためていた」。寝屋川市で1歳10カ月の三女を死なせたとして両親が傷害致死容疑で逮捕された事件で、母親(27)はそう供述している。捜査関係者によると、父親(26)は飲食店や土木関係のアルバイトをしていたこともあったが、事件当時は無職で生活保護を受けていた。母親は知り合いに「お金がない。生活が大変」と話していた。 両親は生活の困窮から来るストレスを三女に向けた可能性がある。母親は昨年10月、家庭訪問してきた保育士には「ストレスがたまらないように本気で怒って、グー