タグ

ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (8)

  • 航空事故とフォーク定理 - himaginary’s diary

    今回の羽田の航空事故を巡り、事故の刑事責任の追及が自動車事故などに比べて緩やかなのはやはり納得できない、という声と、今後の安全性のためにはそれが当然、という現在の慣行を支持する主張が改めて持ち上がり、議論になっている。現在の慣行については、その日米比較を行ったこちらの服部健吾氏の論文が参照されることが多いようだが、同論文では現在の慣行を支持する論拠として、「萎縮効果(chilling effect)」が一つのキーワードになっている*1。そこで「chilling effect accident criminalize」で検索を掛けてみたところ、Flight Safety Foundation*2のPresident兼CEOのHassan Shahidiが2019年5月17日に書いた「Criminalizing Accidents and Incidents Threatens Aviatio

    航空事故とフォーク定理 - himaginary’s diary
  • クルーグマン「日本はまだオワコンではない」 - himaginary’s diary

    既に日のツイッターで話題になっているが、クルーグマンが安倍元首相の死に寄せて連ツイを投稿している。 OK, one more shock: the assassination of Japan's former Prime Minister Abe. I have zero to say about what might lie behind it and what it means. But I can talk about my meeting with Abe in 2016; he was a complicated and interesting leader, not easy to characterize 1/ As many have noted, he was an apologist for Japan's war crimes — not forgivable —

    クルーグマン「日本はまだオワコンではない」 - himaginary’s diary
  • スティグリッツの高頻度取引批判 - himaginary’s diary

    フェリックス・サーモンがロイターを去って3ヶ月近く経ったが*1、去る少し前の記事で、アトランタ連銀におけるコンファレンスでのスティグリッツの高頻度取引批判を紹介していたのに今更ながら気が付いた。 以下はサーモンのまとめたスティグリッツの論点。 市場は活発過ぎ、変動的過ぎることがあり、また、そうなるのが常である 国際資市場ではそうした野放図な市場は厚生を低下させるというコンセンサスが出来つつある。高頻度取引についても同じことが言える。 高頻度取引はネガティブサムゲームである 高頻度取引自体はゼロサムゲームであるが、高頻度取引を実現するための実世界のコストを考えるとネガティブサムゲームであると言える。 理論的には高頻度取引によって社会的厚生が改善する可能性があるが、以下に見るように実際にはそれは起きていない。 高頻度取引は価格発見を改善しない 価格発見自体は社会的厚生を改善するが、より早く価

    スティグリッツの高頻度取引批判 - himaginary’s diary
  • 金融の軍拡競争 - himaginary’s diary

    についてイングランド銀行のアンドリュー・ホールデン(Andrew Haldane)金融安定化担当理事*1が講演した(Mostly Economics経由)。 ホールデンによれば、金融においてそのような軍拡競争が発生する要因は3つあるという。 情報の非対称性 どれだけリスクが取られているかを評価するのは情報の非対称性により難しいため、投資家らはランキングといった間接的な尺度に頼ることになる。 満期変換 確実な短期借り入れの不確実な長期貸しという銀行のバランスシートの構造上、投資家は、いざという時に真っ先に取り付け騒ぎの列の先頭に立とうとする。それにより彼らは流動性の軍拡競争を惹起している。 勝者総取り 金融サービスの中には業界トップの独占市場に陥りやすいものがある。 こうした金融の軍拡競争は別に目新しい話ではないが、その今日的な例としてホールデンは以下の3つを挙げている。 レバレッジによる株

    金融の軍拡競争 - himaginary’s diary
  • 経済学という不正確な科学 - himaginary’s diary

    ミシガン大学ディアボーン校の総長を務める哲学教授のダニエル・リトル(Daniel Little)が、表題(原題は「The inexact science of economics」)のブログエントリを書いている(Economist's View経由)。 そこで彼は、ウィスコンシン大学マディソン校の哲学教授ダニエル・ハウスマン(Daniel Hausman)の書いた「The Inexact and Separate Science of Economics」というから、以下の考察を引用している。 不正確な法則とは近似である。それは、ある誤差の範囲内で真実である。 不正確な法則は確率的ないし統計的である。経済学の法則は、人間が必ずこのように振舞うと記述するのではなく、人間が通常このように振舞うと記述する。 不正確な法則は、干渉が存在しない場合の物事のあり方という、反事実的条件における主張を行

    経済学という不正確な科学 - himaginary’s diary
  • ルービニ「二番底のリスクが高まっている」 - himaginary’s diary

    昨日紹介したモハメド・エラリアンの論説では、FRBの出口戦略の難しさを表現するに当たってルービニ記事にリンクしていた。今日はそのルービニのFT記事の内容を簡単に紹介する。 2008年第4四半期〜2009年第1四半期の先進各国の経済の落ち込みは、大恐慌の初期に似ていた。だが、その後の政策当局の努力の甲斐あって、落ち込みの速度は弱められた。 ここで、以下の3つの疑問が湧く。 いつ世界不況は終わるのか? それはどのように終わるのか? 景気の再後退の恐れはないのか? 第一の疑問については、世界経済全体は今年下半期には底をつけると見ている。 米国、英国、ならびにスペイン、イタリアなどのユーロ各国、および東欧諸国をはじめとする新興国では、公式には今年いっぱい不景気は続く。 オーストラリア、ドイツ、フランス、日、ならびに中国、インド、ブラジルなどアジアと中南米は、もう回復過程に入っている。 第二の疑問

    ルービニ「二番底のリスクが高まっている」 - himaginary’s diary
  • 経済学者の立ち位置の見取り図 - himaginary’s diary

    12日エントリのはてブで、経済学者のベン図かマトリックスがあれば良いのに、と言うコメントがあったので、ふと思い立ってとりあえず簡単なものを作ってみた。 切り口は単純で、縦軸が共和党支持vs民主党支持、横軸がニュークラシカル(新しい古典派)vsニューケインジアンの2軸。図中の経済学者の名前は取りあえず思いついた米国の大物学者しか書いていない。しかも、ニュークラシカルの人は皆シカゴ学派という雲でまとめてしまった。ただ、バローはロバート・ワルドマンが半塩水と評したのに敬意を表し、ニューケインジアン寄りに独立させてみた。 また、ほとんど定義により、第2象限(ニュークラシカルの民主党支持)は存在しないので、進入禁止のマークを立ててみた。 少し前に、財政刺激策を支持するか否かで米国の経済学界を二分する論争が巻き起こったが、こうしてみると、その切り分けは、ワルドマンがこだわるような淡水(ニュークラシカル

    経済学者の立ち位置の見取り図 - himaginary’s diary
  • 金融業のGDP構成比上昇は危機の前触れか? - himaginary’s diary

    直近のクルーグマンのop-edに次のような一節があった。 And the financial system wasn’t just boring. It was also, by today’s standards, small. Even during the “go-go years,” the bull market of the 1960s, finance and insurance together accounted for less than 4 percent of G.D.P. ・・・ After 1980, of course, a very different financial system emerged. In the deregulation-minded Reagan era, old-fashioned banking was increasingly

    金融業のGDP構成比上昇は危機の前触れか? - himaginary’s diary
  • 1