保守系与党セヌリ党の朴槿恵候補が激戦を制した今回の韓国大統領選では「経済民主化」が一大争点となった。韓国経済を支配する財閥系企業の活動に対する規制強化を求め、世論は盛り上がった。 この問題に関しては、革新系候補だった文在寅氏に比べ朴候補の姿勢は穏健だ。韓国の経済界でも朴候補の勝利に歓迎ムードが広がっているようだ。あからさまな格差 韓国では財閥企業による支配の構造が鮮明だ。2011年には、10大財閥の売り上げが国内総生産(GDP)の77%を占めた。02年に比べて23ポイントも上昇したという。 1997年のアジア通貨危機で経済破綻した韓国は国際通貨基金(IMF)の管理下に入った。IMF主導で財閥企業の解体と集約が徹底して行われたが、サムスンを筆頭に生き残った財閥は残存者利益を享受。さらに経済のグローバル化の波に乗って輸出を拡大したことで韓国経済発展の牽引(けんいん)役となった。