死亡の原因となるのは、少量ではなく、大量の空気が入った場合です。少量では死因にもなりませんし、何の障害も起こしません。 静脈から入った空気は、血流に従って、まず心臓へいきます(静脈→右心房→右心室)。 そしてその後、肺に飛んでいきます。これが、肺での「空気塞栓」になります。 少量の空気では空気は自然に吸収されて大事には至りませんが、大量ですと、肺で、重症の空気塞栓を起こして、肺のガス交換の働きが低下してしまいます。 通常は、肺で空気が留まって、脳に空気塞栓を起こすことはありませんが、以下の場合は、脳にも空気塞栓をおこして、脳梗塞の症状を起こすことがありえます。 1)心臓に孔が開いている場合(心房中隔欠損症、卵円孔開存など):右心房の空気が、左心房→左心室へ行き、そのあと脳を含む全身に飛ぶ可能性があります。 2)極めて大量の空気が入った場合:肺動脈の圧が高まって、バイパスを介して左心房へ行く