水稲を枯らす害虫「トビイロウンカ」の被害が深刻だ。県内の飛来量は例年の約120倍で、県農業共済組合によると、被害面積は9月27日現在で約2248ヘクタールと、過去最悪ペースで推移。農家は予定より早めに収穫するなど対応に追われている。 トビイロウンカは中国大陸から偏西風に乗って国内に飛来し、イネの株に寄生し汁を吸って枯らす「坪枯れ」を引き起こす。気温の上昇で増殖するとされている。 県・・・ この記事は会員限定です。電子版にお申し込み頂くとご覧いただけます。 新規ご購読は申し込み月は無料となります。詳しくは「サービス案内」でご確認ください。
被害拡大を防ぐため、「坪枯れ」した稲穂(中央の変色した部分)が刈り倒された水田=田原本町で2020年10月2日午後3時40分、稲生陽撮影 米の収穫期を前に、県内の水田で害虫「トビイロウンカ」の被害が急拡大している。9月以降、汁を吸われた稲が黄色く枯れて倒れる「坪枯れ」が県内全域に広がっており、JAならけん(県農協)によると、「少なくとも平成以降で最悪の被害規模」。収穫直前で農薬が使えないばかりか通常の薬ではほとんど効かないといい、10月2日に臨時の全県調査をした県病害虫防除所は「時間とともに被害は広がる。米粒がまだ小さくても収穫を前倒ししてもらうしかない」と話している。 トビイロウンカは毎年梅雨の時期に中国大陸から風にのって飛来する体長約5ミリの害虫で、今年は7月から九州で被害が拡大。だが被害規模が例年より極端に大きく、県が注意報を発令した時点(9月17日)では西日本を中心に24府県が警報
イネの害虫「トビイロウンカ」が33年ぶりとなる警報級で増加している。京都府南丹農業改良普及センター(南丹市)によると、南丹地域では亀岡市を中心に被害が広がり、収穫前の稲穂が枯れて円形に倒れる「坪枯れ」が目立ち始めたといい、農家は対応に追われている。 亀岡市河原林町のある水田では、直径3メートルほどの坪枯れに加え、直径30~40メートルほどにまで被害が拡大したエリアも複数生じた。 府病害虫防除所(亀岡市)によると、ウンカはイネの根元に付いて樹液を吸い、枯らす。今年は府内全域で8月初旬に確認し、山城、南丹地域で増加。府は9月10日に警報を発令した。 特にこれから収穫を迎えるなかてやおくての被害が警戒される。農薬散布できるのは収穫の2週間前までなので、同防除所は「10月後半に収穫するおくて以外は、被害の拡大を防ぐため、早期に収穫してほしい」としている。
鹿児島県と門司植物防疫所は28日、果実・果菜類の害虫ミカンコミバエの幼虫が確認された南大隅町で住民説明会を開き、航空防除の方針を示して協力を呼び掛けた。 町内では7月20日に雄成虫が誘殺されて以降、今月23日までに計24匹が見つかり、25日には幼虫が県本土で初めて確認された。 説明会は町佐多支所とJA鹿児島きもつき根占支所であった。防除は有人ヘリコプターを使い、薬剤を染み込ませた誘殺板3万枚を約1万200ヘクタールに散布する。29日から1週間程度、山間部を中心に予定し、住宅地や水源は除外する。 幼虫が確認された地点を中心に、柿など寄主植物の果実2トン以上を除去し、地中処分したことも報告された。 門司植物防疫所鹿児島支所の吉永修治支所長は、ミカンコミバエの繁殖能力の高さを指摘。「初動防除を徹底し、出荷制限などが必要な事態にならないよう努める」と述べた。予防策として、落下した果実は地中に埋めた
水稲の害虫トビイロウンカが福岡県の北九州・京築地区などで大発生し、稲作が大打撃を受けている。県は8月7日に警報を出して早めの刈り取りや農薬による防除を呼び掛けたが、関係者の予想以上に早く被害が拡大したようだ。被害多発地の一つとされる行橋市内では、稲が枯れて倒れた田んぼがあちこちで見られ、生産者らは「過去最悪だ」と肩を落としている。 行橋市延永の富田和重さん(69)は16日、枯れて倒れた稲をコンバインで刈り取っていた。枯れた稲から取れるのは、動物の餌やあられ菓子などに使う未成熟の「くず米」。値段は正規品の20分の1程度に落ちるというが「このままでは見た目も悪いし、刈るしかない」とあきらめ顔。作付けした約6・5ヘクタールのうち1割超はウンカ被害で倒れ、急いで刈った稲も未成熟が多い。「収穫は例年の半分以下になるかも」と語った。 体長約5ミリのトビイロウンカは梅雨前線の気流に乗って中国などから飛来
佐賀県農業技術防除センターは、稲の害虫トビイロウンカによる被害が例年より早い8月下旬から発生しているとして、防除対策の徹底をあらためて農家に呼びかけている。同センターは既に8月20日に警報を出しているが、その後の調査でも、主にウンカの第3世代の幼虫が大量にふ化しているのを確認したという。
高知県内の農業分野が抱える課題を最新の技術を活用して解決につなげようと情報交換会が行われました。 「高知の農業の未来をテクノロジーで創る」をテーマに、分野を超えて開かれた情報交換会。県内外の20社以上の企業が、農業に応用できる人工知能=AIなどの先進的な技術を参加者に披露しました。最新技術と連携を図り、今、農家が抱える人手不足などの課題解決の糸口にしてもらいたいと、県が開きました。新型コロナウイルスの影響で、一部オンラインでの情報交換会となりましたが、200人以上が参加しました。 AI機能を持つカメラで農作物を認識し自動で収穫をするロボットや、病気や害虫の被害を受けた農作物の写真を送ると、原因となる病害虫の名前と対処方法を教えてくれるアプリなどが紹介されました。参加者らは、メモを取りながら熱心に聞いていました。 「昔からの園芸王国高知の経験、技術にさらに新しい世界の最新技術を組み合わせて、
トビイロウンカによる「坪枯れ」の予兆が見られる兵庫県西部の水田。青い円の部分が黄色く枯れ始めている=9日、兵庫県病害虫防除所提供を一部加工 兵庫県は16日、イネを枯らす害虫「トビイロウンカ」が県全域で大発生しているとして、発生予察警報を出した。県病害虫防除所(加西市)が8月下旬に出した注意報から、警戒レベルを引き上げた。トビイロウンカの警報発令は2014年9月以来、6年ぶり。
ヨツモンカメノコハムシに食べられて葉がレースのようになったノアサガオの仲間。円内はヨツモンカメノコハムシのペア(和歌山県田辺市稲成町で) サツマイモ(ヒルガオ科)の葉を食害する南方系の甲虫ヨツモンカメノコハムシが、和歌山県の紀南地方で生息域を拡大している。ヒルガオ科の植物を好み、田辺市内の道端に自生するノアサガオの仲間は、食べられて葉っぱがレースのような状態になっている。 ヨツモンカメノコハムシは、主に沖縄本島以南に分布していたが、1999年以降に九州や四国、本州でも確認されるようになった。和歌山県では昨年初めてサツマイモでの被害が見つかった。 成虫は体長1センチ足らず。中央部が茶褐色、周りは半透明の黄褐色。4~11月に出現する。成虫だけでなく、幼虫もヒルガオ科の葉を食害する。 県農業環境・鳥獣害対策室によると、昨年春に新宮市のサツマイモ畑で成虫が見つかり、県内で調査したところ、那智勝浦町
愛知県は9月3日、トビイロウンカによる水田被害の拡大が懸念されるため、今年度初の警報を発信した。県内2カ所の水田で「坪枯れ」を確認し、当面の間、気温が高い状況が続くなど同病害虫が飛来しやすい環境が整っているため、県内全域に注意を呼び掛けている。 トビイロウンカによる坪枯れ 8月17日にすでに注意報を発令していたが、西三河地域と東三河地域の水田で本種による「坪枯れ」を確認したため一段高い警報に踏み込んだ。 7月上旬に行った本田すくい取り調査では岡崎市、新城市、豊川市、長久手市で、8月上旬には西尾市と豊川市で本種成虫を捕獲。同月下旬には本田払い落し調査を行い、岡崎市、豊田市、新城市、豊川市、田原市、長久手市と広い範囲で捕獲。一部のほ場では多数の成幼虫が株元に寄生していることが確認された。 日本植物防疫協会の解析データによれば、トビイロウンカの飛来に適した気象条件が今年は20回以上出現しており、
果物や野菜に卵を産み付けて繁殖する東南アジア由来の害虫、ミカンコミバエが今年、鹿児島県を中心に九州各地で確認されている。2015年に奄美大島で大量確認されて以来の規模とみられ、九州の植物検疫を担う農林水産省門司植物防疫所も警戒を強める。 ミカンコミバエは体長7ミリほどの小バエの一種で、東南アジアや中国南部、台湾に広く生息。ふ化した幼虫が果物などの中身を食い荒らし、収穫できなくなる被害がある。国内では1919年に沖縄で初めて確認された。86年に「根絶」。その後も毎年のように飛来しているが、「定着」には至っていない。 正確な飛来経路は不明。6~7月に日本付近に停滞する梅雨前線に向かって、南方から流れ込む気流に乗って飛んでくるとみられる。同様に台風との関係も指摘される。今年の確認数が多いのは、前線が長期間とどまる「長梅雨」の影響がある、と関係者はみる。 鹿児島県によると、8月24日現在、18市町
今年2月に沖縄県内で初めて確認された外来種のハヤトゲフシアリを駆除する作業が21日、始まった。沖縄科学技術大学院大学(OIST)の主催で、連携して取り組む那覇市環境保全課や琉球大学の職員らが、那覇軍港そばの国道沿いに広がる巣穴を確認し、駆除用のエサを設置した。
病斑が現れ、黒腐病の症状が出たパパイア(県病害虫防除技術センター提供) 沖縄県病害虫防除技術センターはこのほど、パパイアの葉や茎、果実が黒く腐敗する「パパイア黒腐病」が沖縄本島で初めて確認されたと発表した。同センターが今年3~8月に県全域で発生状況を調査した結果、計9カ所で確認され、このうち本島は糸満市で3カ所、八重瀬町で2カ所確認された。このほか宮古島市で3カ所、石垣市で1カ所確認された。 パパイア黒腐病は2002年に石垣市で国内初確認され、その後、12年に宮古島市でも確認された。雨風による伝染や種子伝染などが疑われているが、詳細は不明。パパイアの葉や茎、果実で発生し、症状は灰色の病斑が広がり、腐敗して枯死する。県病害虫防除技術センターは、発病株や果実が伝染源となるとして、見つけた場合は速やかに処分するよう呼び掛けている。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く