現在の気候条件では70〜100年に1回程度しか本州沿岸に接近しない最大風速54メートル超の最強クラスの台風が、今世紀末には10〜20年に1回程度接近する可能性があることが、気象庁気象研究所と海洋研究開発機構の共同研究チームによるシミュレーションで分かった。地球温暖化の影響で、中心気圧が850ヘクトパスカルを下回る史上最強の台風が発生する恐れもあるという。 気象庁は最大風速33メートル以上を「強い」、44メートル以上を「非常に強い」、54メートル以上を「猛烈な」台風と分類。研究チームはスーパーコンピューター「地球シミュレータ」で、2075〜99年の台風の発生状況などを予測した。 その結果、平均気温は日本付近で2〜3度上昇。上層の大気も暖かくなり対流が弱まることで、台風の発生個数は現在より2割程度少ない年間20個弱となった。しかし、強度は増す傾向が表れ、最強クラスの台風が10〜20年に1回程度