ニッポンの夫婦が“変異”している? 「夫は外で働き、妻は家庭を守る」など今や昔。この連載では「産後クライシス離婚」から「イクメン幻想」まで、刻々と変化する現代の夫婦たちを、女性・夫婦問題に詳しいジャーナリストの治部れんげさんが追います。共働き、主婦家庭、主夫家庭……それぞれの夫婦は今どうなっているのか? 「営業は24時間365日」が当たり前と思っていた。朝から晩まで働き、接待にいそしみ、帰宅は夜11時、12時。家のことは主婦の妻がすべて責任を持つ。仕事優先の生活を、結婚後も8年間、続けた。昭和な家庭に育った妻は、それを「当然のこと」として受け入れた。2年の遠距離恋愛の後、妻は結婚退社し夫の勤務地へ。妻にとっては誰も知り合いのいない土地だった。 当時のことを思い出し、夫は言う。「妻は実家からも遠く、身寄りもない中で寂しかったと思いますが、私には、その部分への想像力は、恥ずかしながらまったく及