老朽化やバリアフリー設備の不足が課題となっている東京都立葛西臨海水族園(江戸川区)の建て替えで、都が計画敷地内の樹木1700本のうち600本を伐採し、800本を移植する方針であることが分かった。新施設の建設に「自然との共存」を掲げ、これまで「樹木への影響を極力減らす」と説明してきた。都民や都議会からは「自然環境を安易に破壊しないで」と見直しを求める声も上がる。(三宅千智) 葛西臨海水族園 1989年6月開園の葛西臨海公園内にあり、89年10月にオープンした。約2200トンのドーナツ型の大水槽で群泳するクロマグロや、自然が豊かだったころの東京周辺の水辺を再現した「水辺の自然」エリアが特徴。新水族園では、巨大水槽を約3千トンにする。整備事業は2022年8月、NECキャピタルソリューションなどのグループが約431億円で落札した。