出入国管理法改定案が、今国会で大きな焦点となっています。「人手不足」を理由に外国人労働者の受け入れを広げるため、新たな在留資格「特定技能」を設けるのが主な目的です。しかし、すでに日本で働いている128万人の外国人労働者の実態はどうなっているのか。中でも約30万人が働く外国人技能実習制度では法令違反や人権侵害が横行しています。関係者に取材しました。(増田哲明、行沢寛史) 「社長は機械を使っていつも私をいじめます」。ベトナム人実習生のHさんが労働基準監督署に提出した申告書には、悲惨な実習の実態が記されています。 Hさんは2016年6月、「溶接」の技能実習で来日しました。しかし、実際に就労したのは産業廃棄物処理業者。行ったのは廃棄物の分別作業でした。技能実習の職種に産廃処理などありません。ベトナムの送り出し機関に問い合わせても「すでに日本に行ったのだからがんばりなさい」と取り合いませんでした。