この記事には性被害の描写が含まれます。 ◇ 祖父の仏壇を前にすると、体が汚いものに侵されていくようなあの感覚を思い出す。 近畿地方で暮らす竹山祐介さん(30代)=仮名=は中学2年のとき、祖父から性被害に遭った。毎年の盆と正月に帰省し、顔を合わせた。「物静かだけど、優しいおじいちゃん」だと思っていた。 あるとき、祖父から「話がある」と部屋に呼び出された。昔話を始めたかと思うと、話題は次第に猥談に。祖父は「毛は生えたんか?」「成長ぶりを見せなさい」などと言って、無理やり孫の体に触れた。竹山さんは抵抗したが、そのまま口淫された。 混乱した。それからも、普段と変わらない日常は続く。家族で食卓を囲み、笑い合いながら食事をする。だんらんの中には祖父もいる。 「錯覚してしまうような、悪い夢を見ていたような。自分に起きたことと、その後の日常が違いすぎて」 優しくしてくれた祖父と、思春期の少年に迫ってくる祖