【旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。】 萬屋直人/方密 電撃文庫 Amazon 少年と少女が目指すのは「世界の果て」。存在そのものが消失していく「喪失病」が蔓延し、滅びを迎えつつあるこの世界で、少年と少女は旅を続ける。おそらくは、自らが消え去るその時まで。 何のために、彼らは旅を続けるのだろう。社会が崩壊しつつあるこの世界で、旅を続けるのはとても困難なことだ。そして彼らの目指す、「世界の果て」とは、きっと具体的な目的地のことではない。 目的地のない、果てのない旅。 在りえない場所を求めているのか。それとも、辿りつかない場所を目指すことで、終わらないことを願っているのか。 荒廃していくこの世界の中で、少年と少女が出会う人々は、やがて消滅する病を背負いながら、それぞれが懸命に生きていて、少年と少女と温かくもやさしい一期一会を交わしていく。 自分という存在も、自分が存在したという証拠も、何もか