吸血鬼になりかけた暦をこちら側に引き戻してくれた恩人のひとり――それがクラス委員の羽川翼。成績優秀、品行方正な彼女が、あるゴールデンウィークの間に見舞われた怪異。それは、1匹の猫に魅入られた少女の物語。 というわけで、シリーズ開始当時からほのめかされてはいたものの、今まで語られることのなかった「悪夢の9日間」の物語がついに登場。シリーズとしては6冊目になるが、時系列としては「傷物語」の次、ということになる。 とか思っていたらいきなり冒頭100ページほどは暦と妹・月火とのどうしようもない無駄話だったりするのだが、それはさておき(笑)。 そんな月火との会話の末、エロ本を買いに行くことになった暦は羽川に遭遇する。そしてそこで、彼女の置かれている境遇を知ることになる。それを知った暦は憤慨するが、忍野は逆にその事実を肯定してみせる。いわく、羽川翼は正しすぎるのだと。自分を犠牲にしてでも他者を救おうと