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ナッジやリバタリアン・パターナリズムをめぐる対話シリーズ、本格スタートはやはり慶應義塾大学の大屋雄裕さんから。レッシグにはじまり、これからの社会に求められる“規範起業家”まで、幅広い視点からの、そしてきわめてクリアな議論の刺激をどうぞご一緒に。(勁草書房編集部) 那須 大屋さんはずいぶん早い時期から、いろんなところでサンスティーンやリバタリアン・パターナリズムをめぐる議論のスポークスマン的役割を担ってこられました。ですから今回一番心配したのは、ご自身がこの話に飽きてしまっておられないかということです(笑)。 大屋さんのこの問題へのご関心は、ご自身の研究の文脈のどのあたりから浮かび上がってきたんでしょうか? 最初のご著書は言語哲学と法解釈の基礎理論でしたから、いくらかずれがあるように思えます。両者にはつながりがあるのか、あるいは、まったくちがった文脈に属する問題なんでしょうか。 大屋 まず私
子どもたちに夢と希望を与えるアルマ望遠鏡 「子供から、『お父さん、僕はブラックホールが見たい』と言われたので、『お父さんがきっと見せてあげるからね』と話したんです」 2012年3月5日、チリ、アンデス山脈の標高2900mにあるアルマ望遠鏡の山麓施設。 パラボラアンテナ66台が並ぶ電波望遠鏡(干渉計)アルマは、標高5000mのチャナントール高原に日米欧の国際協力プロジェクトとして建設されたが、その現場である山頂施設は酸素濃度が低いため長時間の滞在はできない。そこで、アンテナの遠隔操作などを光ファイバーを介して行う拠点がこの山麓施設だ。 この時が、私のアルマ現地の最初の取材だった。 その山麓施設で数人の日本人天文学者と声を交わしたが、その1人、若い天文学者がこんな父と子の対話を話してくれたことがずっと忘れられなかった。そこで私は、「アルマは子供たちに夢を、感動を与える」ということを忘れないよう
日本人と限らず多くの人がフィギュアスケートの羽生結弦選手の活躍を賞賛しているなか、こういう意見を述べるのも、悪意のように取られるのではないかと恐れるが、自分としては若い選手の将来を思ってこういう意見もあるという、一つの小さな例として、ためらいながらではあるけど、書いておきたい。繰り返すが、こう思う人もいるというくらいの些細なブログ記事であり、強く望むという大それた主張ではないし、私はたぶん間違っているのだろうという疑念もあるので、そこは理解していただきたいと願う……私は羽生結弦選手は平昌冬季オリンピックに出場しないほうがよかったと考えていた。 理由は、NHKスペシャル『羽生結弦 五輪連覇への道』を見たおり、昨年11月の怪我が深刻なものに思えたからだ。同番組では「自らの限界を超えて五輪に挑もうとする羽生結弦」というトーンで推していたが、そしてそれ自体はスポーツ選手として素晴らしいことではある
グーグルアース、世界海洋デーに合わせ海中画像追加。写真はインドネシア・バリのクリスタルベイ(c)Relaxnews/Google Street Maps〔AFPBB News〕 とりわけ、私のミッションは「大学発ベンチャー」国立大学法人の研究成果を市場に離陸させ産業として巣立たせるところにあります。 そのような観点で日本の「来し方」を振り返るとき、決定的に欠けている要素に「顧客中心思考(customer-centric)」という側面があるように思われます。 これは、むしろ確信をもって排除していると言った方が近いかもしれません。今回はこの「顧客中心思考」について、考えてみたいと思います。 むしろ技術だけなら勝った日本 しばしば言われることですが、日本は技術だけで言えば欧米諸国よりも優れた水準にある/少なくともかつてはあった、しかし、ビジネスにおいてそれを展開する能力に著しく欠け、そんなくじば
貧困の連鎖を止めようとしたら、子どもの学力が下がりました。働き方から変えよう、地方から変えようとしたら、何も変わりませんでした。 自己紹介 こんにちは。上杉周作と申します。教育について考えるのが好きな、シリコンバレー在住のエンジニアです。 88年生まれで、中学1年まで日本で暮らし、それからはアメリカ在住です。カーネギーメロン大でコンピューターサイエンスを学び、AppleとFacebookでエンジニアインターンをし、その後シリコンバレーのベンチャーを転々とし、2012年9月よりシリコンバレーの教育ベンチャー・EdSurgeに就職しました。 2017年1月にはNHK「クローズアップ現代+」の教育特集に「教育×IT」の専門家としてお呼びいただき、教育評論家の尾木ママさんと共演しました。 NHK・クローズアップ現代+ 2017年1月26日放送 「ハーバードはもう古い!? ~エドテック “教育革命”
2016年のノーベル経済学賞をオリバー・ハート教授とベント・ホルムストローム教授が受賞した。受賞理由はシンプルに「契約理論への貢献」である。ハートとホルムストロームは主に契約理論とその応用分野である組織の経済学、コーポレートファイナンス、コーポレートガバナンス(企業統治)において巨大な存在である。また、ハートは商法・会社法の法学者、ホルムストロームは人事の経済学や分析的会計研究者の間でも有名なはずだ。 学生時代から今日まで契約理論と呼ばれる経済理論の一分野を勉強・研究してきた僕にとって、直球ど真ん中の結果であり、嬉しい。しかし、2年前の2014年にジャン・ティロール教授が受賞していたので、こんなに早く彼らが受賞するとは正直予想できなかった。何しろティロールの受賞理由の半分は契約理論の応用であり、彼自身も契約理論への重要な貢献を行っている。さらに、ティロールはハート、ホルムストロームともそれ
原子力規制委員会の田中俊一(たなか しゅんいち)委員長は13日、高速増殖原型炉「もんじゅ」について日本原子力研究開発機構に代わる新たな研究開発主体を決めるよう馳浩(はせ ひろし)文部科学相に勧告した。 ウラン資源を効率よく使用することを目的とする核燃料サイクルの確立は、日本の原子力政策の柱とされている。「もんじゅ」は、核燃料サイクルに欠かせない高速増殖炉の実用化を目指し日本原子力研究開発機構が研究開発に当たってきた。1983年に設置許可が出て、94年に初臨界を達成している。しかし、翌95年12月、40%出力プラント確認試験中に冷却材であるナトリウムが漏えいする事故を起こして以来、不手際、トラブルが続き、運転再開ができない状態が続いている。 原子力規制委員会の勧告は、委員会が日本原子力研究開発機構に対し保安措置命令を出したものの機構が依然として対応できていない経緯を説明した上で、「機構という
宇宙開発とビジネスと民主主義(moderntimes) 宇宙開発と社会との関係を分析。 松浦晋也と鹿野 司の“読書ノート”(裳華房) 裳華房メールマガジンでの書評連載。 日経クロステック著者検索 松浦晋也 日経BPの媒体に書いた2003年以降に書いた技術的記事が読めます。全部ではありません。一部は同社のウェブ媒体リニューアルで消えたままになっています。 日経ビジネス電子版・著者ページ 2015年以降に日経ビジネス電子版に書いた記事は、ここから読むことができます。 介護生活敗戦記 2017年に連載した、認知症を発症した母80歳を自宅介護した記録です。現在連載は、NPO法人「となりのかいご」代表の川内潤さんが受け継いでいます。ここから著書「母さん、ごめん。」が生まれました。 松浦晋也の「モビリティビジョン」 2008年から2011年にかけて「Wireless Wire」で行った乗り物に関する連
音楽が好きで好きで、音楽が無いと生きていけないような人にとっては、定額制サブスクリプションサービスはとてもありがたいものだと思います。月に何枚も、場合によっては何十枚もCDを買っていたのが、月980円ですむわけですから。 でも、そういう人がこれで浮いたお金を何に使うのか想像してみると、やはり、同じくらいのお金をライブに使うのではないでしょうか。 そういう人にとっては、定額制サービスは「おお、これで月980円ですむぞ!」というものではなく、「おお、これで今まで行きたくても行けなかったあのライブとあのライブにも余裕で行けるぞ!」ということでしょう。 もし、音楽市場の主流がそういう人だったら、その人の支出は変わらないので、音楽産業全体の総収入も変わりません。音楽産業が消えるわけではなくて、今までのCD製造販売からライブイベント屋さんに形態が変わるだけ。 あるいは、その人は、NetflixかHul
「半世紀前に立てられたスタジアムでも、10年前に立てられたような新鮮な印象を与え続けるものもあれば、75年前に立てられたように古びて感じるものもある。その違いを生むものは何だか分かりますか?」 これは、先月サンフランシスコで開催された「スポーツ施設&フランチャイズ2015」(以下、SFF)のとあるセッションでの一幕です。SFFは、米国でスポーツ組織の経営者を主な読者に持つ業界誌「スポーツビジネス・ジャーナル」が毎年開催するカンファレンスで、最新のスポーツ施設経営に関するノウハウや事例を2日間にわたって共有するものです。私も定期的に参加しています。 冒頭の質問は、米メジャーリーグ(MLB)のサンフランシスコ・ジャイアンツの球団社長兼CEOであるラリー・ベアー氏への単独インタビューで、同氏が会場の参加者に投げかけたものです。サンフランシスコ・ジャイアンツと言えば、その本拠地AT&Tパーク(20
シリーズ「持続可能な循環型社会」 実例で検討するリサイクル 06.27.2015 その2 資源へのアクセスを阻害する人的要素 前回の記事は、対象として金属資源を取り上げ、「枯渇」するとはどのようなことなのかを話題の中心に据えて、「枯渇≒入手が難しくなること」の要因を探ってみました。最近の技術の進化によって、大抵のことはなんとでもなるのですが、大原則は曲げることができません。すなわち、「コスト的に見合わない場合には、その技術は採用されません」。したがって、入手が困難になった資源が、どのぐらい本当に必要なものなのか、が判断されて、代替品に移行したり、もしも本当に必要だとなれば、コストの上昇をある程度無視して、新規な方法によって供給がされるということになります。 しかし、常に、新しい問題が発生しているのも、資源供給の常です。最近、水銀の毒性を問題にする水銀条約ができて、蛍光灯がLEDに置換さ
執筆者 斎藤 勲 地方衛生研究所や生協などで40年近く残留農薬等食品分析に従事。広く食品の残留物質などに関心をもって生活している。 新・斎藤くんの残留農薬分析 斎藤 勲 2015年6月12日 金曜日 キーワード:栄養 農薬 本来はこの記事は2月にさらっと書くべきことであったが、夏かと思われる季節になってやっと書いている。発端は、FOOCOM.NET編集長の松永和紀さんが1月29日発行のメールマガジン第186号に書かれた「どうも引っ掛る宮崎県の機能性研究」だった。宮崎県総合農業試験場の安藤孝部長との交流について書かれている。安藤さんは残留農薬や栄養・機能性成分の一斉分析技術の開発に携わり、短時間で分析できる方法を確立した。島津製作所が同県との技術連携に踏み切り、今年1月には高速・高分離分析を全自動化したシステムを開発したとして、プレスリリースを出している。 メールマガジンでは、安藤さんが19
HBRの村井さんの記事にも似たことが書いてあったけれど、インターネットの第一段階としての進化は終わったように思う。 人と人とがリンクし、探したいことを探す…といった基本用途において、発展の余地はない。 問題なのは、10年後の世界だ。 今後、IoT時代が到来することで、次のような変化が起こると予想する。 (1)製品のサービス化 製品+ソフトウェアをセットに考える動き Webサービスのプラットフォームと連動してユーザに付加価値を提供する等 (2)センサー技術 ウェアラブル端末などの端末を用いて、ユーザのコンテキストをあぶりだす ユーザのコンテキストに応じて質の高いUXを提供できるように (3)インタフェースの共通化・遠隔化 スマホを通じて、各家電製品のUIを一元化できる また、家にいなくとも遠隔で制御可能に (4)データ還元・開発コストの削減 ユーザの利用データを還元することで開発時に役立てる
人工知能ネタでちょっと気になった記事。 はてなグループの終了日を2020年1月31日(金)に決定しました - はてなの告知 「人工知能に対する楽観的な妄想」はいつか来た道 - 渋谷駅前で働くデータサイエンティストのブログ 結構長いけど、簡単にいうと現状の「機械学習」「パターン認識」というある意味地道な技術の発達が、「人工知能」「singularity」というバズワードに置き換えられてしまうことで、過度な期待を煽ったり、意味のある議論ができないのではないかという指摘だと思う。さらに今後、期待が失望に変わる可能性も指摘している。 ただ、これって結構難しい話で、このあたりの期待をうまくコントロールするというのが予算とか実際にえらい人を動かす上では必須なのですよね。 おそらく今の人工知能の期待値のレベルは以下のようになっているのではないかと思う。 人間理解派: 人工知能の研究がすすむことで、脳研究
長野 光 日経ビジネスニューヨーク支局記者 2008年米ラトガース大学卒業、専攻は美術。ニューヨークで芸術家のアシスタント、日系テレビ番組の制作会社などを経て、2014年日経BPニューヨーク支局に現地採用スタッフとして入社。 この著者の記事を見る
またしても宇宙以外の話題。石が飛んできそうだな。 初めてパールハーバーへ行ってきた。 日本語ガイドツアーを申し込んだけど、最初はまずアリゾナ記念館見学。戦艦アリゾナは日本の真珠湾攻撃で爆沈し、1000名以上の乗員が戦死したという、アメリカ海軍史上最大の悲劇の地。しかもまず映画を見せられ、アリゾナ艦上を通り、歴史展示館を見るという順序。看板やパンフレットには至るところに「Remember,understand and honor」というフレーズが。おお、リメンバー・パールハーバー!これは日本人にとってはヘビーな場所だぜ。ヒロシマを訪れたアメリカ人もこんな気分かい? 映画はまず、アメリカ軍広報の女性が語りかけてくる。ここで起きた悲劇を理解し、アメリカのために死んだ兵士たちをいつまでも記憶しようと。ん?リメンバー・パールハーバー? そのあとは歴史映像が淡々と流れ、解説される。ナチスドイツと同盟し
前回の記事で紹介した研究活動支援型クラウドファンディングサイト「academist」の第一弾プロジェクト「深海生物テヅルモヅルの分類学的研究」が、残り日数40日以上を残してめでたく目標金額に達成した。自分には関係のないことなのだが素直に嬉しいし、ほっとした。研究プロジェクトの内容自体が面白かったことももちろんだが、academistがオープンしたばかりだったためにネットメディアに取上げられたことも、成功の大きな要因だろう。いずれにしても、この成功は研究活動支援型クラウドファンディングシステム確立のための大きな一歩となったのは、間違いない。 ただし、今後はいかにネット上で影響力をもつインフルエンサーに取上げてもらうように研究プロジェクトをアピールするかが、クラウドファンディングによる研究資金集めの重要なポイントになるはずだ。そして、より確実に成功させるには、研究プロジェクトを提案する研究者自
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