読むほどに酔うほどに、あの日の夢が重なってくる。 わたしの一番ダメなところに潜り込んでくるのが、フェルナンド・ペソア。試みに、どこかの頁をあけてみるがいい。どの頁でもいい、簡潔に記された片言にワシ掴みにされる。 文学は、他の芸術と同様、人生がそれだけで十分でないことの告白である 私はひたすらやり直すことで人生を過ごしている だが、どこからやり直すのか 凡俗の人間は、たとえ人生が辛くても、少なくとも人生を考えないから幸せだ。人生を外から生きること、ただ日々を生きること、犬や猫がしているように、これが普通の人がしていることだ。そして、人生とはこのように生きるべきなのだ。猫や犬と同じように満足して生きたかったならば。考えると壊れてしまう。考えることは、解体することだからだ。 世界の虚構性に気づき、自分の中の空白を自覚したことはあるだろう。リアルタイムに現実を更新することで、ようやく認識してるフリ