ネット通販大手のアマゾンジャパンは31日、出版社から書籍を直接購入し、販売する「買い切り」方式を年内にも試験的に始めると発表した。同社は同日の記者会見で、「書籍の返品率を下げるため」と説明し、本の価格設定についても検討する考えを示した。 同社によると、買い切る書籍について出版社と協議して決定。一定期間は出版社が設定した価格で販売するが、売れ残…
ネット通販大手のアマゾンジャパンは31日、出版社から書籍を直接購入し、販売する「買い切り」方式を年内にも試験的に始めると発表した。同社は同日の記者会見で、「書籍の返品率を下げるため」と説明し、本の価格設定についても検討する考えを示した。 同社によると、買い切る書籍について出版社と協議して決定。一定期間は出版社が設定した価格で販売するが、売れ残…
結論: アマゾンの「バックオーダー発注」廃止は、流通改善に名目を借りた正味戦争の宣戦布告である。この戦争に敗北し、多くの出版社が個別直接取引(e託)に応じてアマゾンのみに特恵条件を与えることは、破壊的な状況をもたらす。 また、直接取引をしたところで流通が改善するという保証はない。アマゾン依存度が上がるほどに、苛烈な「ご提案」に逆らえない状態となる。 在庫ステータス管理の問題は、業界が抱えつづける課題ではあるが、このアマゾンの施策とはほぼ関係ない。 長くなってしまったので、結論を先に書いた。これに納得できた人は、この先は読まなくてもいい。そうでない人、「僕と契約してe託出版社になってよ」と囁く声に揺れている人に向けてこれを書く。 その提案書には、いくつもの重要な点が省かれているからだ。 取引正味の現状 現在、出版業界の正味標準は以下のようになっている。 出版社から取次への引渡
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