(CNN) 5日に死去した米アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏が手掛けた製品は、パーソナルコンピューターの「マッキントッシュ」から多機能携帯端末「iPad」に至るまで、ミニマリスト的デザインとシンプルな操作性が特徴だった。 ジョブズ氏のこうした革新的なデザインには、禅の影響があるのではないかと指摘する声もある。 ジョブズ氏は若いころインドに旅して仏教に触れ、1970年代にカリフォルニア州の禅センターに通って、日本出身の禅僧、故・乙川弘文氏と交流を深めたといわれる。 乙川氏はジョブズ氏の結婚式を司り、86年にジョブズ氏がアップルのCEOを解任されて設立した「ネクスト」の宗教指導者にも任命されるなど、2人の交流は長年にわたって続いた。 ジョブズ氏がスタンフォード大学で2005年に行った有名な講演をはじめ、同氏の発言の中には禅の自力本願の思想が反映されている。講演でジョブズ氏はこう語った。「
先日、AP通信が発表した2011年の10大ニュースによると、米アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズ氏の死去は選外となったようだ。しかし、私にとってはジョブズ氏の死去は東日本大震災に次いで大きなニュースだった。死後発売されたジョブズ氏の伝記を読んでなおさらその思いを強くしている。 「The Computer for the Rest of Us(取り残された人々のためのコンピューター)」を掲げて登場したアップル製のMac(マック)。パソコン未経験だった当時17歳の私にもすぐに使えるほどで、その衝撃は今でも忘れられない。ウェブの“祖先”であるマルチメディアソフト「ハイパーカード」と音声合成機能を使って英語の授業を受けることができるし、米国のパソコン通信網にも簡単にアクセスできる。ウィンドウズもまだ登場しておらず、PC-98が、呪文のような記号の羅列で操作されていた昭和末期の話である。ジョブ
10年余り前、家電や文具などさまざまな分野のデザインで、内部構造が透けて見える「スケルトン・ブーム」が起きた。このブームの起点が、スティーブ・ジョブズ氏がアップルのCEO(最高経営責任者)に復帰した翌年の1998年に送り出したパソコン、iMac(アイマック)であることはよく知られている。後に採用したタンジェリン、グレープなど「キャンディカラー」と呼ばれるカラフルな本体色も、やはり他社の製品に影響を与えた。 デザイン評論家で武蔵野美術大教授の柏木博さん(65)は、iMacについて次のように語る。 「以前のアメリカなどでは、オフィスで使うものはパソコンも含めて黒が基調で、禁欲的な色遣いだった。iMacの丸みを帯びたかわいらしいデザインと色は、明らかに家庭や個人向けのものだが、これをオフィスに持ち込むと、逆にオフィスの雰囲気が変わり、軽やかで楽しげな場所になる。iMacのデザインは、そこまで狙っ
インターネットにつながる携帯電話が、いつもポケットの中に入っている。このことがもたらすライフスタイルの変革は、2007年のiPhone(アイフォーン)登場前に、日本では先駆けて起きていた。1999年に始まったNTTドコモの「iモード」サービスを生んだ元同社執行役員、夏野剛さん(46)=ドワンゴ取締役=は、次のように語る。 「この十年あまりで、日本人のライフスタイルは激変した。仕事のやり方一つとっても、スケジュールなどの連絡はメールで行い、出先にいてもさまざまな情報が得られ、地図を持ち歩く必要もなくなった。恋愛でも、恋人同士は毎時間のようにメールを交換し、互いの距離がすごく近くなっている」 その“先進国”でも、iPhoneは市場を席巻する人気を獲得した。夏野さんは「iPhoneの登場は、私がNTTドコモを辞める一つのきっかけになった」とまで話す。誰もが使える操作性 「本日、アップルが電話を再
【ジョブズが変えたもの】 (1) 革新は、この10年で行われた。スティーブ・ジョブズ氏が、携帯音楽プレーヤーの初代iPod(アイポッド)を発表したのは2001(平成13)年10月。2011年の私たちは、自分の手持ちの音楽を“全て”持ち歩けるのを、当たり前のことと感じている。インターネットで好きな音楽を探して聴くことも。 「音楽を外に持ち出すというライフスタイルや、パーソナルオーディオという世界を初めて作ったのはソニーのウォークマンだった。ジョブズがやったのは、単にウォークマンという機器をiPodに置き換えたということではない。音楽の新しい“生態系”を作り、ライフスタイルそのものを新しく置き換えた」 ソニーで米アップルに対抗する音楽サービスの開発を担当し、後にグーグル日本法人社長も務めた辻野晃一郎さん(54)は、ジョブズが果たした役割をこう説明する。絶妙のタイミング その生態系は、音楽の違法
個人と向き合い鼓舞する製品 iPhone(アイフォーン)など革新性の高い商品やサービスを生み出した米アップル創業者、スティーブ・ジョブズ氏(5日死去、56歳)。パソコンや携帯できるIT機器を日常の道具として暮らしている私たちに、ジョブズ氏の仕事はどのような影響を与えているのだろうか。識者らとともに振り返る本連載の初回は、遠藤諭アスキー総合研究所長(55)と、「パーソナル・コンピューター」について考える。アップルII登場 1977(昭和52)年、前年に創業したアップル社から、ベージュ色のボディーの「アップルII(ツー)」が発売された。完成品として個人向けに大量生産されたコンピューターの先駆けで、後に累計500万台を販売する大ヒット商品となる。 「77年には他社からも競合製品が出たが、本当に売れたという点でアップルIIが最初の『パーソナル・コンピューター』だといって間違いはない。それまでは組み
米アップル社が4日に発表した高機能携帯端末(スマートフォン)「iPhone(アイフォーン)4S」に搭載される音声対話型検索機能「Siri(シリ)」に、iPhoneの産みの親で、5日(日本時間6日)に死去したスティーブ・ジョブズ前CEO(最高経営責任者)の人格を移植していたことが分かった。ネットユーザーからの質問に同社が公式に認めた。 「iPhone4S」は昨年発売の「iPhone4」の改良型。デザインはそのままだが、基本ソフトのアップグレードや、内蔵カメラの画質向上など多くの点で改良が加えられた。 中でも今回最も大きな改良は「Siri」と呼ばれる対話型検索機能だ。従来の音声検索では「アメリカ人、ホットドッグ」のように単語に区切って話しかける必要があったが、Siriでは「どうしてアメリカ人はあんなに口の回りをケチャップで真っ赤にしてまでホットドッグを大量に食べるの?バカなの?死ぬの?」のよう
『スティーブ・ジョブズ』に出てくるジョブズの愛読本。「このうち1冊は読み通すことができませんでした」(井口さん) 伝記『スティーブ・ジョブズ』は10月24日に発売されてから、すぐに日本でもⅠ、Ⅱ巻累計で100万部を超えた。爆発的な売れゆきと同時にアマゾン・ジャパンのカスタマーレビューで、翻訳本の出来が「評価」されるという異例の反応があった。世界同時発売によるドタバタぶりなどその裏話を、翻訳した井口(いのくち)耕二さんに聞いた。 [アメリカから送られて来た原文を写真特集で] 井口さんと作業部屋 カスタマーレビューには読みやすい翻訳への賛辞も多かったが、「誤訳」を指摘する書き込みもあった。英語版と日本語版をいち早く読み比べた読者が書き込んだものだった(後に削除)。 指摘に気づいた井口さんが、11月5日に自身のブログでそれぞれの項目について自分の考え方をコメントし、「狭義の誤訳」(解釈の間違い)
アップルの会長、スティーブ・ジョブズが死去した。今さら彼についての説明は不要だろうが、日本のビジネスマンにとって切実な問題は、どうしたら彼のようなイノベーターが生まれるのかということだろう。短い答は、それは不可能だということだ。モーツァルトのまねをしようとしても不可能なように、ジョブズのような天才を他の人がまねることはできない。 しかしアップルの奇蹟は、彼ひとりでできたわけではなく、いろいろな偶然が重なってできたものだ。ジョブズは1977年にアップルを創業したが、1985年にはアップルを追放され、1997年に経営陣に復帰した。いったん会社を追放された経営者が、もとの会社に戻って実権を握るということは、普通はありえない。それが可能になったのは彼が偉大だったからではなく、アップルの経営が悪化して経営を引き受ける人がいなかったからだ。 アップルは、ジョブズを追放してからも内紛が絶えず、経営者が交
彼の名字の「Jobs」は、英語で「仕事」を意味する単語と同じつづりだ。死の間際まで「仕事」に執着し続けた男には、まさにうってつけの名前といえよう。彼は若い頃から思い続けてきた「世界的存在になろう」という強い思いと情熱で、本当に世界を何度も変えてしまった。彼ほどの情熱を後から身に付けるのは難しいかもしれないが、彼が実際に行ったいくつかの判断は、多くのビジネスパーソンにとって、参考になるはずだ。連載第2回は、復帰当時、倒産寸前の危機にあえいでいたアップルを、ジョブスがどう舵取りしていったのか、その軌跡を追う。 「Fail fast」で世界の頂点へ MBAを持たないどころか、大卒ですらないが、近年のビジネスの世界で、スティーブ・ジョブズ以上に優秀な経営者はなかなか見当たらない。 わずか15年前の1996年には完全に潰れかかっていたアップルを立て直し、時価総額で世界最高にしてしまった実績もあり、異
スティーブ・ジョブズ氏らが創設したアニメスタジオ「ピクサー・アニメーション・スタジオ」が創立25周年を迎えたことを記念して、2011年11月18日に公式本「PIXARぴあ」が発売される。 ・スタジオジブリの宮崎駿監督、鈴木敏夫プロデューサーのイラストを見る http://news.nicovideo.jp/watch/np104868 同ムック本は、ピクサーのこれまでの歴史やスタジオ内部の紹介、創設者ジョブズ氏の死去を受け急きょ組まれた追悼特集、全ピクサー映画の製作指揮をとるジョン・ラセターの描き起こしイラスト、さらに、スタジオジブリの宮崎駿監督ら著名人によるコメント付きイラストも掲載されている。 映画「千と千尋の神隠し」海外版でピクサーと縁のあるスタジオジブリの宮崎監督は、掲載された「自画像」イラストで、ピクサーが25周年を迎えたことについて、 「25才だって なんだ若僧じゃねえか」と、
NHKは12月23日、NHKスペシャル「世界を変えた男 スティーブ・ジョブズ」(仮題)を放映する。 10月に死去したジョブズ氏を特集。「家族や友人、同僚やライバル、さらにジョブズ氏の伝記の著者で最期の日々に立ち会ったアイザックソン氏などを通じ、"世界を変えた男"スティーブ・ジョブズの知られざる素顔に迫る」という。 放送は23日午後10時~10時49分。 関連記事 Appleのスティーブ・ジョブズ氏が死去 病気療養のために8月にCEOを退いていたAppleのスティーブ・ジョブズ会長が10月5日、亡くなった。 ロックスター、スティーブ・ジョブズの偽歴史 ジョブズとAppleの歴史は、ロックだった。MacUser編集長などを務め、長くMacとApple、ジョブズを見続けてきた松尾公也氏に追悼文を寄せてもらった。 関連リンク NHKスペシャル「世界を変えた男 スティーブ・ジョブズ」
アパラチコラで過ごす優雅な時間 メキシコ湾沿いの入り江に面した米フロリダ州の小さな町アパラチコラ。こじんまりした海辺のホテルに宿泊し、バーで新鮮なシーフードを味わえるほか、地ビールの醸造所もある。綿花や漁業で栄えたこの町には、グリークリバイバル(ギリシャ建築への回帰)様式の優雅な住宅が散見される。数キロの沖合に浮かぶセントジョージ島には白い砂浜が広がる。
アパラチコラで過ごす優雅な時間 メキシコ湾沿いの入り江に面した米フロリダ州の小さな町アパラチコラ。こじんまりした海辺のホテルに宿泊し、バーで新鮮なシーフードを味わえるほか、地ビールの醸造所もある。綿花や漁業で栄えたこの町には、グリークリバイバル(ギリシャ建築への回帰)様式の優雅な住宅が散見される。数キロの沖合に浮かぶセントジョージ島には白い砂浜が広がる。
【ジョブズ・ミュージアムの建設を望みたいものです】マック用のOSAKAフォントのプロジェクトに携わった者です。覚悟してたものの、やはりジョブズ氏が亡くなったことはショックでかいです。一時代が終わった感じで、心にぽっかり穴が空いたようです。とはいえ悲しんでばかりもいられませんね。ジョブズ氏が遺してくれた”偉大な思想財”を守ってゆかなければなりませんから。かつてアップルジャパンがあった千駄ヶ谷の三日月ビルにでも、ジョブズ・ミュージアム(仮称)を希望したいものです。彼が手がけた歴代の製品の展示や、生い立ちの紹介や、伝説のプレゼンテーションを上映するミュージアムです。クリエーターの新たな聖地になって欲しいものです。アップルさんにミュージアムの建設をお願いしたいですね。スティーブ・ジョブズ氏のご冥福をお祈りします。(2011/10/06)
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