画家 山口晃さん 古の日本画と絵師たちが、時空を超えて身近に 上野桜木のアトリエ。 物の少ない12畳ほどの空間に、言問通りを行き交う車の音が、微かに聞こえる。 壁に立て掛けられているのは、銀座「メゾンエルメス」の個展での作品『Tokio山水(東京圖2012)』。 山口晃氏が、昨秋、平等院養林庵に奉納した襖絵を描いた場所も、ここである。 六本木ヒルズや日本橋三越を浮世絵風に描いた作品や、成田国際空港出発ロビーの陶板の原画をはじめ、水村美苗氏の新聞連載小説の挿画など、氏の近年の活躍は目覚しい。 また、母校の東京藝大助手室内に茶室風アトリエを造ったり、自由研究と称した、売店やお風呂などが合体した電柱構想図、馬の一部がバイクとなった絵など、その創作内容は、群を抜いて個性的だ。 さらに、氏の日常が垣間見える、ご本人言うところの「ふやけた」エッセイ漫画『すゞしろ日記』も人気が高く、近く続刊が刊行される