17日の「事業仕分け」の会場に、ノーベル化学賞を受賞した島津製作所の田中耕一さんが姿を見せた。対象になった文部科学省の「先端計測分析技術・機器開発事業」(概算要求額55億円)の技術顧問を務めているといい、「自分がかかわっている研究が国民にどう評価されるのかを知りたかった」と話した。 仕分けでは「効果的な事業とは言えない」などと手厳しい指摘が続き、結果は「1〜2割の予算削減」に。田中さんは「こうした事業の意義、産学連携の重要性が認められなかったことが残念だ」と述べ、会場をあとにした。(山口博敬)
DNAの二重らせん構造を発見し、1962年のノーベル医学・生理学賞を共同受賞した米コールド・スプリング・ハーバー研究所会長のジェームズ・ワトソン博士(79)が「黒人は知能で白人に劣る」と発言し、新著宣伝のため訪問していた英国内で波紋を広げている。 政治、宗教、人種問題をめぐる歯にきぬ着せぬ発言で知られる同博士は、14日付の英日曜紙サンデー・タイムズのインタビューで「アフリカの人々(黒人)の知能はわれわれと同じという前提で社会政策がつくられているが、すべての知能テストがそうではないことを示している」と発言。「今後10年内に遺伝子が人間の知能に差をもたらしていることが発見されるだろう」などと語った。 19日に同博士の講演を予定していたロンドンの科学博物館は17日、「博士の発言は科学的論争の限界を超えている」として講演会の中止を決定した。(ロンドン 木村正人)
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