春の行楽シーズン到来。お弁当のおかずの定番は、何といっても鶏の唐揚げやえびフライ、フライドポテトだ。アウトドアで食べる揚げ物はとにかくおいしい! でも、揚げ物のメカニズムやその正しい調理法は意外に知られていないようで。 ――揚げ物をしているとき、鍋の中ではどんな現象が? 先生 熱した油に食材を入れると気泡が出てきますよね。実はあれ、すごい勢いで水と油が交代しているんです。高温の油に沈められた食材、あるいは衣に含まれている水分が蒸発し、その水が抜けた部分に油が入り込むのです。これを水と油の交代現象といいます。 ――水と油の交代現象と、おいしさとの関係は? 先生 水が十分に蒸発して、そこに油が入り込んだ揚げ物ほどおいしく感じるのです。食材の表面や衣が乾燥しカリッ、サクッとした食感と、食材そのものの甘味やうま味、肉汁のジューシーさなどが口の中で合わさって「おいしさ」となります。 ――では衣の内部