昨年秋、私は多文化家族(カップルのどちらかあるいは両方が移民である家族)を対象としたワークショップに参加した。 その中で、自分自身の持っている特権を可視化するゲームをした。配られた紙の中心に「I(私)」と書かれた円があり、その円が性別、人種、障害の有無、性的指向、性的アイデンティティー、職業、居住地、言語、宗教、世帯構成といった多様な属性で等分されている。ゲームの参加者は、それぞれの属性の中で自分がどの立場にあるかを、色を塗って可視化する。 例えば男性で、いわゆる白人の、健常者で、(体の性別と性自認が一致する)シスジェンダーで、異性愛者で、カップルと未成年の子で構成される世帯のメンバーであり、安定した職業を持ち、都市に住み、居住地の公用語を自在に操ることができて、居住地で広く認められている宗教を信仰していれば、非常に特権的な立場にいることになる。 ゲームの結果を他人に見せる必要はないものの