ツイッターは透明性を高めるべきだ ──製品開発という観点からお答えいただきたいのですが、あなたから見たツイッターとは、つまるところどういうものであり、10年後にはどうなっているだろうと考えますか。 ずっと言っているのですが、ツイッターは現状ではベストな、あるいは言い方を変えるなら、最もましな公共空間であり、意見交換の場だと思います。1つの国のなかでも、国際的に見てもです。 けれども、さらに良くすることはできます。そのためには、ボットや詐欺業者やスパムを絶対に排除する必要があります。1人の人物や1つの団体が10万などという数のアカウントを運営して影響力をでっち上げようとするケースや、詐欺師などは悪いに決まっているわけですから、ツイッターはもっとしっかり対処する必要があると強く思います。また、ツイッターはユーザーとの信頼関係を構築するべきです。 その方法とは、アルゴリズムをオープンソース化して
2021.02.16 「私はロボットではありません」はワンクリックでなぜ人間を判別できる? 仕組みとその限界を聞いてきた WebサイトにIDとパスワードを入力するとき、ときどき「私はロボットではありません」にチェックを求められることがあります。 僕はロボットではないので、当然チェックを入れて認証を進めるわけですが……。でもちょっと待ってください。なぜクリックひとつで、人間かロボットかを判断できるんでしょう。 これはきっと、人間ではないなんらかの不正アクセスを防ぐ仕組みのはず。でもチェックを入れるくらい、プログラムを作ってなんやかんやすれば、シュッとできるのでは? 「私はロボットではありません」は、どんな仕組みで人間とロボットを判別しているのか。もっといい方法はないのか。これまでの歴史的経緯も含め、情報セキュリティ大学院大学の大久保隆夫教授に聞きました。 気づかないうちに「人間かロボットか」
Rubyコミッター・笹田耕一に世代別インクリメンタルGCを発想したプロセスを聞いてみた Rubyのフルタイムコミッターである笹田耕一さんに、Rubyの処理性能を向上させるいくつかのブレイクスルーをどのように解決し、どのような困難があったのかを聞きました。 直感的な文法や生産性の高さから、世界中の人々に愛されるオブジェクト指向スクリプト言語Ruby。その黎明期から現在に至るまで、大きな変化を遂げてきた要素があります。“処理速度”です。数々の最適化が行われた結果、Rubyの処理性能はかつてとは比べものにならないほど向上しました。 その改善を支えたのは、世界中のRubyコミッターたち。中でも、性能向上において多くの成果を残してきたのが、クックパッド株式会社でフルタイムRubyコミッターとして働く笹田耕一(ささだ・こういち/ @koichisasada )さんです。本稿では、彼がいかなる設計方針に
LINE株式会社は、2023年10月1日にLINEヤフー株式会社になりました。LINEヤフー株式会社の新しいブログはこちらです。 LINEヤフー Tech Blog LINEで働くエンジニアtokuhiromが、同じくLINEで働くエンジニアにいろいろと話を聞いていく連載「LINE Engineer Insights」。第10弾は2019年1月にLINE初のエンジニアの最高役職、フェローに就任した並川淳さん(ML基盤開発担当)にインタビューを行いました。フェローとはどういう役職で、並川さんが所属する「LINE Data Labs」というチームではどんな役割があるのか、マシンラーニングエンジニアとして活躍できる人材について、話を聞いてみました。 ざっくりまとめると フェローの仕事はコードを書いたり、アルゴリズムを考えること マシンラーニングエンジニアが活躍するためには、数学や物理の知識と、エ
歴史の話にくわえて、海外と日本のゲームAIを巡る「認識の落差」についても、三宅氏に語っていただいているので、ぜひ未読の方はご一読いただければと思う。 ところで、この「ゲームAI」史の記事の中で、1980年に発売されたアーケードゲームの名作『パックマン』が、どうやら「ゲームAI」の起源らしいという話が、三宅氏によって語られている。 「世界一売れたアーケードゲーム機」としてギネス記録にも載っている、この40年も昔の名作が「世界最古のゲームAI」でもある――それは一体、どういうことなのか。しかも、『パックマン』の開発人数は、たった7〜8人。どのような経緯で、当時のナムコは21世紀のゲーム開発にも通じる「ゲームAI」の発想を必要としたというのか。 ――実は、その謎を解き明かすイベントが、去る2016年12月12日に開催されている。 『人工知能の作り方 ―「おもしろい」ゲームAIはいかにして動くのか
鈴木裕氏: ただ、そうね……僕は全盛期に世界のトップシェアを取っていた日本が、こんなふうに海外に負けてしまったことが、やっぱり悔しいんですよ。だって、セガが全盛期の頃、僕たちは圧倒的な世界一のゲーム大国だったんです。(中略)ちゃんと新しい武器を製造しないとダメです。だって、良い武器があったら、色々なツールを工夫したりして、少人数でも勝てるんですよ。 そんな鈴木裕氏がインタビュー中、非常に強い興味を持って語っていたのがAI技術だった。そして先にズバリ言ってしまうと、この記事は、日本のゲーム産業が21世紀に世界市場で存在感を失い、今や新興国の国々までもが背後に迫ってきたシビアな状況に、実は「AI技術の軽視」という問題が一つあるのでは――という視点から強く光を当てるものだ。例えば、しばしば日本のゲーム業界の「敗因」として、グラフィックの人材不足や大規模マネジメントの失敗などの問題が挙げられる。だ
過去の名作ゲームの企画書を見せてもらい開発秘話を聞くシリーズ「ゲームの企画書」。連載3回目となる今回は、「不思議のダンジョン」シリーズを手がけてきた、スパイク・チュンソフトの中村光一会長とディレクターである長畑成一郎氏に話を聞いた。 「1000回遊べるRPG」という衝撃的なキャッチフレーズで登場した『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』から、20年の時が経った。 (C)Spike Chunsoft Co., Ltd.ALL Rights Reserved. パソコンゲームの名作『ローグ』のシステムを換骨奪胎し、親しみやすいキャラクターで『ドラクエ』ファンにアピールすることに成功した本シリーズは、現在も多くのファンを魅了し続けている。 そんな本シリーズのインタビューだが、スパイク・チュンソフトの中村光一会長にインタビューをお願いすると、「ぜひ本シリーズ開発者の長畑氏を同席させてほしい」との
たった2小節のメロディーを鼻歌で歌うだけで、楽曲を1曲、丸ごと作成してしまうという、カシオ計算機のiPhone用アプリ「Chordana Composer」が人気だ。しかしなぜ、スマートフォンで自動作曲なのか。またどうやって、2小節のフレーズから楽曲を作り上げているのだろうか。気になる疑問を開発者に聞いてみた。 頭の中のメロディーを自動で1つの楽曲に 音楽の知識やセンスがあるわけではないけれど、頭の中に浮かんだフレーズをなんとなく口ずさんだことがあるという人は、意外と多いのではないだろうか。だがそのフレーズを1つの曲に仕立て上げるとなると、残りのメロディーや伴奏はどうするかなど、途端に音楽の知識とセンスが求められることになる。 音楽を聴かないという人はおそらくかなり少数派だろう。また演奏を楽しむ人も多い。音楽に触れる機会が増えているにもかかわらず、曲を作ることのハードルは高い。それゆえ自分
2004年に開始されたローカル情報の口コミサイト「Yelp(イェルプ)」。スマートフォンが登場する以前から存在したこのサービスは、2008年、米アップルのアプリ販売ストア「AppStore(アップストア)」の開始と同時にアプリが提供され、その後、爆発的に普及していった。同社は2012年3月にニューヨーク証券取引所に上場。現在では米国、カナダ、英国、ドイツ、スペイン、デンマーク、トルコ、ブラジル、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールなど世界25カ国でサービスが提供されており、月間の訪問者数は1億2000万人。モバイルからの利用者数は月間で約1060万人に及ぶ。そして、4月9日からは26番目の国として日本でサービスを開始する。ジェレミー・ストップルマンCEO(最高経営責任者)に話を聞いた。 日本市場でサービスを開始しようと思った理由は。 昨年、日本に訪れた際、同行していた米セールスフ
はてブのリニューアルに批判が殺到し、「完全に狼狽した」と担当ディレクター。はてブは開発者主体のサービスから、編集視点を加えたメディアへと変化してきている。 「完全に狼狽(ろうばい)した」――「はてなブックマーク」(はてブ)リニューアルのディレクターを務めたはてなのディレクター・伊藤博典さんは、リニューアルに対するユーザーの反応を見た感想を率直にこう語る。 1月8日、はてなブックマークのトップページとカテゴリーページをリニューアル。アルゴリズムを刷新し、同じ記事が長く滞留しないようにしたほか、デザインも一新。ブルー一色のリスト風の記事一覧からカラフルな配色に変え、一部ページではタイルを並べたようなデザインに刷新した。 大幅なリニューアルは2008年以来、4年ぶり。思い切った刷新を評価する声がある一方、ドラスティックな変更に対する否定的な意見も殺到し、ブログ記事のブックマークには「これはひどい
“俺たちのセガ”がやってくれた! 男子トイレで遊べるゲーム「トイレッツ」はセガの社内トイレで開発が進められた。男子の聖域で熱き男のバトルが楽しめるゲームの裏には、構想から足かけ5年、苦闘の物語があった…… 今年の夏、セガ(東京都大田区)の男子トイレでは、かつてないゲームの開発が佳境を迎えていた。店舗用電子POP「トイレッツ」。男性用小便器に取り付け、スピードセンサーで計測された尿の勢いや量で遊ぶゲームで、広告表示ができるというもの。10月に居酒屋「養老乃瀧」チェーン40店で先行導入されると、Twitterやブログで「セガの本気」「俺たちのセガ」と話題を呼び、プレーする男性が続出。しかし、構想から5年、11月21日の正式発売までには、ゲームの老舗セガが経験したことのない数々の困難が待ち受けていた。 「女性には理解されないかもしれませんが……」と切り出したのは、トイレッツを発案者で開発チームチ
グーグルには、勤務時間の20%を自由な企画・開発に当てていい「20%プロジェクト」という制度がある。Google検索での誤入力に対して、正しい検索キーワードを勧める「もしかして」というスペリングコレクション機能を担当している、ソフトウェアエンジニアの工藤拓氏が、同じくエンジニアの小松弘幸氏と、この「20%」で進めていたのが「Google日本語入力」だった。 工藤氏が「変換」のコアな部分、小松氏がWindowsやMacintoshといったマルチプラットフォームへのつなぎ込み部分を主に担当してプロジェクトを進めた。そして仮バージョンができた時点で、相談を寄せたのがシニアプロダクトマネージャ(当時)の及川卓也氏だ。 2010年に登場するChrome OSへの搭載も予定され、Googleの日本展開の重要なツールとなるGoogle日本語入力の生みの親に、その狙いや開発の思想を聞いた。 Google日
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