34万個にも及ぶ配達日指定荷物の遅延で大混乱が続いた「ゆうパック」。顧客の怒りはもっともだが、吸収合併された「ペリカン便」の出向社員たちも怒り心頭だ。郵政事業会社の社員は、お役所体質が抜けきらず、この非常事態にも右往左往するばかり。それを尻目に、旧ペリカン便の社員たちは夜を徹した手作業で必死に働いているという。 郵便事業会社は今月1日、昨年4月に日本通運からJPエクスプレス社に移管されていたペリカン便事業を、ゆうパックに吸収する形で新体制をスタートさせた。だが翌々日の3日にはすでに、全国のターミナル支店が大混乱に陥っていた。 「荷さばき用ベルトコンベヤーからあふれ出る荷物、異臭を放つクール便…。作業員は多いが、何をどうしていいか分からない。壁沿いには、誤って運ばれた荷物がうずたかく積まれ、鳴りやまない電話には誰も出ない。そんななか、大量のお中元を積んだ大型トラックが次々と到着する状況で