教員免許を持たない博士号取得者を対象とした高校教員の採用試験が複数の教育委員会によって行われている。教員免許がなくても博士号があれば、数学・理科・工業の高校教員になれる可能性がある。 総説 博士号を取得しても大学などの研究機関で職を見つけられない人が増えている。このため、別の道に行こうとする博士号取得者は少なくない。こうした人が専門知識を生かせる道として、高等学校などの教員になるという道がある。 ここでネックになるのが教員免許である。日本の初中等教育においては教員免許がないと教壇に立つことができない。教員免許を持っていれば博士号を取得した後でも高校などの教員採用試験に応募することに問題 [1] はない。しかし、教員免許を持っていないないと、普通の教員採用試験には応募すらできないのである。それでは、教員免許を持たない博士が高校教員になるのは、不可能なのだろうか。 実は、特別免許という制度があ