親にできることは… 人間関係が複雑化し、ストレスフルな現代の子どもたち。思春期は特に精神が不安定になり、うつ状態になるケースもある。親はどう気づけばいいか。何ができるのか。児童精神科医の猪子香代さんに話を聞いた。 * * * 現代社会は、さまざまな子どもへのストレス要因があります。たとえば、受験もうつ病の引き金になることがある。 私が危ういと感じるのは、かろうじて受験を乗り越え合格した子たち。レベルの高い中高一貫校に合格した中1の男の子は、入学後に宿題ひとつできなくなって受診してきました。聞けば、すでに小6のときに憂鬱な気分が始まっていたとのこと。母親に心配をかけないよう、苦しい状態に陥っていても、言いだせなかったそうです。母親はうつ病だなんて思っていないから、本人が自信を取り戻すように、「もっと勉強しなさい」と励ましていました。 私は、中学受験が悪いとは思っていません。ただ、親や周囲の大