韓国のソウル高裁が旧日本軍の元慰安婦らへの賠償を日本政府に命じた11月23日の判決は、日本政府が上告せず今月9日に確定した。国家は他国の裁判権に服さないとする「主権免除」を主張する日本政府が賠償に応じる見込みがない中、原告側は訴訟にどんな意義があると考えているのか。代理人の李相姫(イサンヒ)弁護士に聞いた。(聞き手、ソウル・木下大資、写真も) 元慰安婦訴訟 旧日本軍の元慰安婦や遺族ら約20人が2016年に日本政府を相手取り提訴。一審は訴えを却下したが、11月23日のソウル高裁判決は、主権国家は他国の裁判権に従わないという主権免除を認めず、原告1人あたり約2億ウォン(約2300万円)の賠償を命じた。主権免除に関する国際慣習法が「個人の請求権を保護する方向に移行している」と指摘し、慰安婦の動員は「韓国の領土内で韓国民に対して起きた不法行為」と認定した。