ゴールを決めると、歓喜のダッシュをしながらユニホームを脱いだ。アンダーシャツに書かれていたのは「ダニ・ハルケ オレたちはいつも一緒だ」。昨年、急逝した1歳上の親友へのメッセージだった。 バルセロナが本拠地のエスパニョールでプレーし、主将も務めていたハルケは昨年8月、遠征先のイタリアのホテルで26歳の若さで急死した。急性心臓疾患だった。バルセロナに所属するイニエスタらとは、チームを超えた付き合いだった。試合中にユニホームを脱げば、イエローカードをもらうことは分かっていた。それでも、思いを抑えられなかった。 今回のW杯は、U21(21歳以下)スペイン代表の経験があるハルケの思いも背負って戦った。初戦のスイス戦で負傷交代したが、復帰した第3戦で1ゴール。その後もしり上がりに調子を上げ、シャビとともにチームの生命線のパスサッカーを支えた。 そして迎えた決勝の舞台。衰えを知らない運動量で神出鬼没の動