一大ビッグニュース:司法がフリーライセンスを支持 法律フリークの方でもなければ、この件は重要には思えないでしょう。でも信じていただいて大丈夫。これは大勝利です。 こうしてご報告できることを大変名誉に感じています。米国連邦巡回控訴裁判所(知的所有権に関する米国でのご意見番的法廷)がクリエイティブ・コモンズその他の事業を明示しつつ、フリーの著作権ライセンス(先方は「オープンソースの」と呼んでいます)を支持しました。(ここで対象となったのは、アーティスティック・ライセンスでした。)これはとても重要な勝利であり、Stanford Center for Internet and Societyがその実現の鍵となる役割を担うことができたことを大変うれしく思っています。特に同センターのChris Riddder、Anthony Falzone両氏には賛辞を贈りたいと思います。 非専門的な言い方をすれば、
7月10日に、特許に関する最高裁判決が出されましたね。 特許異議申立事件(付与後異議)で特許取消決定がされ、特許権者が審決取消訴訟を起こしたが請求を棄却され、それに対して上告していたのに対し、最高裁は上告を一部容認し、特許権者の主張を認めたものです。 最高裁判決(pdf) 知財高裁判決(pdf)(いずれも裁判所ホームページ) 特許異議申立制度は既に廃止されて存在しないので、ここでは一般論の議論を特許無効審判を例にとって説明します。 特許無効審判が請求されると、特許権者は、答弁書提出期間内などに、訂正の請求(特許請求の範囲の減縮などを目的とする)を行うことができます。 審判の審理において、訂正の適否を判断し(「訂正を認める」又は「訂正を認めない」)、特許が無効か否かを判断します。 無効審判請求は請求項毎に行うことができます。特許が無効か否かの判断についても、請求項毎に判断されます。例えば、特
-知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる立体標章につき、長年の使用および大規模な広報により自他識別を有したとの判断がなされ、登録を拒絶した特許庁の審決を取り消す判断が知財高裁によって下された。立体商標についての商標法3条2項の判断が下された例は〔ひよこ立体商標事件〕(知財高判平成18年11月29日)、〔ミニマグライト事件〕(知財高判平成19年6月27日)に引き続くものである。その判断基準はこれまでと変わるところでなく、裁判所の傾向がより鮮明になったと言えるだろう。 知財高判平成20年5月29日(判例集未搭載)平成19年(行ケ)第10215号 http://www.courts.go.jp/hanr
-知的財産制度を考えるブログ- 知的財産法とその制度設計について学び続けたい若造の勉強日記です。 サイトの説明や筆者の連絡先、利用のルールについてはこちらを参照ください。コメント歓迎です。 昨日(2007年11月1日付)の新聞各紙報道によると、キヤノンインクカートリッジ事件(注1)の上告審において、弁論が開かれないまま判決期日が指定され、事実上、上告人(リサイクルカートリッジ製造事業者)の敗訴が決まったようだ。 ■上告棄却の持つ意味:それほどないのでは? この報道を受けて、若干の反応があったが、次の二つのような反応に関しては違和感を覚えた。 ■「知財高裁の判決が事実上の最終審であることの表れ」との反応 高度の専門性を持った知財高裁の判断を、知財の専門家ではない最高裁判事が安易にひっくり返せる訳が無い、本件はその象徴的事案である、という捉え方である。 確かにインクカートリッジ事件控訴審判決を
NYの巨大法律事務所で研修生活を送った日本国弁理士の日々の記録。[真面目な弁理士のNY研修生活]から改題。 昨日、平成18年1月31日、 知財高裁 平成17(ネ)10021 特許権 民事訴訟事件(平成17年(ネ)第10021号 特許権侵害差止請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成16年(ワ)第8557号))の判決が出ました。全文は、現在、ここにあります。ちなみに、地裁の判決はここです。 これは、知財高裁判決であって、最高裁判決ではありませんが、篠原勝美裁判長がかなり踏み込んだ意見を述べられており、今後、消尽の議論をする上で非常に意味のある判決だと思います。 まず、この判決から読み取れる消尽の判断基準をまとめると、以下のようになります。 <原則>正当権利者が日本国内において特許製品を譲渡した場合には,当該特許製品については特許権はその目的を達したものとして消尽し,もはや特許権者は,当該特許製
「キヤノン」が、オフィス用品販売会社「リサイクル・アシスト」にリサイクルしたインクカートリッジの販売禁止などを求めた訴訟の上告審判決が8日、ついに最高裁第1小法廷でありました。判決において、横尾和子裁判長は、特許権侵害を認めて販売禁止などを命じた2審・知財高裁判決を支持し、アシスト社の上告を棄却し、キヤノンの勝訴が確定しました。 結果的に、非常にまっとうな結論が出ましたが、それは、キヤノンが出願し登録を受けた特許明細書の特許請求の範囲をじっくり読んだからそう思うのであって、あの請求項1と10が異なる表現になっていれば、違う結果になっていたと思います。 今回は、インクカートリッジを洗って、もう一度インクを充填する行為によって、 特許発明の本質部分が再構成されると言えるような表現が請求の範囲に 含まれていることを条件として初めて侵害が成立したのです。 具体的には、 圧接部の界面の毛管力が第1及
<最高裁判決の裁判要旨> 本日、「キャノン」と「リサイクル・アシスト」が争っていたインクカートリッジ事件に関する最高裁判決が出ました。 「キャノン」が保有する特許の侵害を認め、「リサイクル・アシスト」のリサイクル製品の輸入・販売の差し止めを命じました。 最高裁判決はこちらです。 <裁判要旨と判決抜粋> 以下、最高裁の裁判要旨を転載し、判決の該当部分を抜粋します。<(_ _)> 1 特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国において特許製品を譲渡した場合に,特許権者が当該特許製品につき特許権を行使することの可否 → 特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者(以下,両者を併せて「特許権者等」という。)が我が国において特許製品を譲渡した場合には,当該特許製品については特許権はその目的を達成したものとして消尽し,もはや特許権の効力は,当該特許製品の使用,譲渡等(特許法2条3項1号にい
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