『女子と鉄道』 という本を読んだ。 私も、全線乗りつぶしを目論むわけでもなければ、時刻表のバックナンバーを揃えるわけでもない、ごくごくゆるやかな鉄道好き。男性のように、「制覇」とか「収集」といったことを目的とするのではなく、単に鉄道の揺れに身を任せることの肉体的快感や、「きれいだなぁ」とか「何もするべきことがなくて嬉しい」といった感覚を求めるためだけに、乗っているのでした。 『女子と鉄道』 - 「雪見列車と力餅――奥羽本線、米坂線」より 僕も、どちらかというと 「ゆるやかな鉄道好き」 である。 列車の旅に出るときは 「ポケット時刻表」 を買うが、路線図やダイヤに関心があるわけではない。ローカル線に乗っても、車両の型式など覚えず、記憶に留めるのは駅弁の味のみ、といった程度のものなのだ。 それでも、僕は列車の旅が好きである。 子供が生まれてから、旅行はほとんど車で出かけるようになっ