あまり広報していませんが、昨年、両手親指キーボード tagtype Garage Kit が、ニューヨーク近代美術館のパーマネントコレクションに選定されました。 この選定は、私にとっては、特別な意味を持ちます。tagtypeキーボードをデザインする以前の私は、様々なプロダクトをデザインしながら「まだ理想には遠い」と感じていました。製品は、技術開発の根幹から、外観も中身も、ソフトウェア至るまですべて一貫した美意識に貫かなければならない。そう考えていたのですが、そんなことを依頼するクライアントがあるはずもなく、自分でやる技術力もなく…。 その状況が変わったのは、2000年前後。東京大学で私の教え子であった田川欣哉が、私のスタッフとなり、本間淳が外部スタッフとして参加してからでした。 二人は、ともに優秀なメカトロニクス・エンジニアであり、プログラマでした(特に本間は、そのうち奇人・天才シリーズで