製薬業界に絡み、「リアルワールド(real world)」という言葉を耳にする機会が増えている。リアルワールドエビデンス(real world evidence)やリアルワールドデータ(real world data)など、呼び名は違えど意味するところはほぼ同じだ。 新薬開発のための臨床試験(治験)は、条件のそろった限られた患者集団を対象とする。ノイズを排除し、従来の薬との差分を浮き彫りにすることが狙いだからだ。ところが、薬が実際に発売された後、実臨床においてはさまざまな背景を持つ患者にその薬が投与される。処方の実態や治療効果、副作用などを、実臨床で得られるデータから検証する。こうした取り組みを指す言葉が、リアルワールドデータ/エビデンスである。 製薬大手、バイエル薬品の担当者はリアルワールドデータ/エビデンスの重要性をこう指摘する。「開発試験(治験)の次のステップとして、さまざまなデザイ
![「リアルワールドデータ」の衝撃](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/982d5c45114275f68df77a6fdc784ac6d494d564/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fdm%2Fatcl%2Ffeature%2F15%2F060300031%2F060900002%2Fnt.jpg%3F20220512)