◇福島で「過小評価」繰り返すな 原爆症の認定申請を却下された全国の被爆者が、処分取り消しを求めた原爆症認定集団訴訟のうち、最後の訴訟が7月、大阪地裁で結審した。これまでの判決は、原爆放射線が人体に及ぼす影響を国が過小評価してきた可能性を指摘し、原告側の訴えを認めている。判決を受けて国は、原爆症の認定基準を見直したものの、放射線の影響に関する考え方は一切変えていない。原爆投下から66年を経た今も原爆症認定を巡る問題が尾を引いているのは、こうした国のかたくなな姿勢のためだ。福島第1原発事故による放射線被害では、同じ失政が繰り返されてはならない。 ◇原発事故の被害者思い 「裁判所の公正な判決の力が、原爆被爆者に対する国の冷たい姿勢を改めさせるのみならず、今回の原発事故の被害者の方々に対しても国が正しく真剣に向き合っていくことにもつながると願っています」。7月8日、大阪地裁の法廷で、原告の女性