蟻塚亮二 読み書きができないことは深刻な劣等感を引き起こす。9月28日付沖縄タイムスの一面トップに次のような記事があった。 「引き揚げと戦禍越え学問の夢成就、高校を卒業」「沖縄戦で孤児になったSさん(74)が27日、泊高校定時制夜間部を卒業した。小学校にも通えず、「いつか勉強したい」と願いながら働いた幼少期。(中略)今回見事に高校卒業する。」 沖縄戦の中で親兄弟を失い、孤児になられた方たちがたくさんおられる。彼らの中には、孤児院から里親に引き取られたものの小学校にも行かせてもらえず、畑仕事や家畜の世話に明け暮れて、読み書きできない人々も多い。 そのような彼らは、「他人の前でいつも劣等感を感じて、いつも一歩引いて、いつも光があたる場所を避けて生きてきた」という。他人の中で発言する時には、「間違いだ」と言われるのではないかとビクビクしておびえて生きてきた。 しかし、そのための「他人の中で一歩引