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ブックマーク / medium.com/@samjapn (1)

  • 銭湯が消える日

    数日前の夕方のことだ。暑い部屋でパソコンの作業をいったん切り上げ、汗を流しに銭湯に行ってこようと、自転車に乗って郷通りから菊坂を下りて行った。600メートルぐらい入ったところにあるのは、僕の最寄りの銭湯、菊水湯。狭い路地の角に佇み、裏に煙突が高くそびえている。昔この界隈に住んでいた樋口一葉も通っていたという。 破風作りの玄関で二人のおばあちゃんたちが小さい声で立ち話をしている。口調からすると何か慌てているようだ。ふと、傘入れに貼ってあった告知を見た。 「閉店のお知らせ。長い間みなさまには大変お世話になりましたが、建物・設備機械の老朽化と経費高騰・お客様の減少に伴い、店主の疲労のため、九月三十日をもちまして閉店することになりました」 菊水湯ついに来たか・・・湯船に浸かりながら、剥け始めている富士山のペンキ絵を眺め、「私も9月いっぱいで日を離れようかな」とまで考えを巡らせた。国から離れなく

    銭湯が消える日
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