仕事柄、多くの方に「ソフトウェアレビューがうまくいかない。どうしたものか」という相談をいただきます。多くの場合、レビューの目的設定が不十分、参加者のマインドが醸成されていないことが原因になっています。 レビューの目的設定が明確にされていないことは多く、レビュー会議がはじまっていくつか欠陥が指摘されると「このレビューって結局どんな欠陥を検出すればいいんだっけ?」という状況になることは少なくありません。各々のレビューアが自身の経験に基づいて欠陥を指摘すると、必ずしも開発しているソフトウェアに求められるような(早期検出すべき)欠陥ばかりになるとは限りません。たとえば、ユーザ数が5ユーザ程度しかおらず、同時アクセスの可能性がほとんどないシステムに対して、同時アクセスやそのときの性能問題を指摘することは、必ずしも適切とは限りません。それよりも指摘すべき(優先順位の高い)欠陥があることが多いからです。