東京理科大学の藪内直明講師と駒場慎一准教授らはジーエス・ユアサコーポレーション(GSユアサ)と共同で、蓄電池向けの新しい電極材料を開発した。鉄とマンガンの酸化物で、リチウムイオンの代わりに海水中に大量にあるナトリウムイオンで電気をためる。5年後を目標に工場や家庭用蓄電池の実用化を目指す。論文が30日、英科学誌ネイチャー・マテリアルズ(電子版)に掲載される。開発した酸化物は鉄とマンガンをほぼ同
超微細(ナノ)技術を駆使して、レアメタルのパラジウムそっくりの性質を持つ新合金を作り出すことに、京都大の北川宏教授らが成功した。元素の周期表で両隣のロジウムと銀を材料に、いわば「足して2で割って」、中間のパラジウムを作り出す世界初の手法で、複数のレアメタルの代用品の合成にも成功、資源不足の日本を救う“現代の錬金術”として注目されそうだ。 ロジウムと銀は通常、高温で溶かしても水と油のように分離する。北川教授は、金属の超微細な粒子を作る技術に着目。同量のロジウムと銀を溶かした水溶液を、熱したアルコールに少しずつ霧状にして加えることで、両金属が原子レベルで均一に混ざった直径10ナノ・メートル(10万分の1ミリ)の新合金粒子を作り出した。新合金は、パラジウムが持つ排ガスを浄化する触媒の機能や水素を大量に蓄える性質を備えていた。
昭和シェル石油子会社のソーラーフロンティアは19日、米IBMと新型の太陽電池を実用化するため共同研究を行うことで合意したと発表した。原料として主流になっているシリコンではなく、銅や亜鉛、スズなど安定的に調達できるものを使った「CZTS薄膜太陽電池」を研究する。希少金属(レアメタル)も使わない方式で、製造コストを抑えられるという。 IBMの開発した技術をもとに研究を進める。ソーラーフロンティアは、原理のよく似た技術で銅、インジウム、セレン、ガリウムなどを使う「CIS系太陽電池」を量産しており、両社の技術を組み合わせる。 CZTSは、CIS系のようにインジウムやガリウムといったレアメタルを必要としない。ただ、太陽光を電気にする変換効率は今のところ、最高で9.6%で、CIS系やシリコンを使った結晶型と呼ばれるタイプなど既存の市販製品が13〜15%程度なのと比べるとまだ低い。 今後は変換効率を高め
沖縄本島の北西約100キロの海底で、熱水が噴き出している活動域が見つかった。東京大などの研究チームが17日、発表した。周囲には、マンガンやアンチモンなどレアメタル(希少金属)を含んでいるとみられる鉱物の塊も発見された。海底の新たな鉱山として注目されそうだ。 研究チームは、熱水に含まれるマンガンや硫化水素を感知できるセンサーを開発し、無人探査機に搭載。11日までの8日間、火山地形であるカルデラが広がる海域を調べた。 すると、海底(水深500~600メートル)の3カ所で、43~247度の水が噴き出していた。うち1カ所では、直径50センチの煙突状の構造物が高さ1~2メートルに伸び、先端から121度の熱水が立ちのぼっていた。 最近、こうした構造物を含む活動域「熱水鉱床」は新たな鉱山として注目され、日本近海で探査が活発化している。チームはすでに岩石を採取しており、今後、金属の種類や含有量を分析する。
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