悲しいねぇ。もちろん人によるけど理系研究者界隈には文系ディス文化が根付いているんじゃないかって疑っている。中高一緒だった子が理系の大学院まで行って久々に会ったとき「歴史学なんて虚学じゃん」って普通に言ってきたので、ああこういうこと普通に日頃言ってるんだなと思ったのよね。
30代前半で旧帝大の助教 (任期無し)。我ながら、この業界では勝ち組と呼ばれる部類だと思う。 日本トップクラスとも言えるこのポジションで、私が普段何をしているのかを書いてみたい。 研究指導 (12 時間/週)私の在籍する研究室に居る学生のうち 8 名 に対して研究指導を行っている。各人に対し、一対一のミーティングを週に 1 時間半行うため、トータルで週 12 時間となる。 基本的に、私がやれば 2 週間で片付くような作業に 2 年くらい費やす学生が大半だ。旧帝大とは言え、自力で英語論文の読解や、プログラムのバグ取りができない学生の方が標準的なので、これはまあ仕方がない。これで賃金をいただいている以上、真摯に取り組む他ない。 研究室内の輪読会 (3 時間/週)専門書を学生だけで読むのはハードルが高く消化不良にしかならないため、解説役として教員が参加する必要がある。私は 2 種類の輪読会に参加
若手研究者の不安定な雇用が、さまざまな歪みを生んでいる。今年1月、京都大学iPS細胞研究所の助教(36歳)による論文捏造が発覚した。動機の背景には、成果を出さなければクビという焦りがあったと報じられている。日本の研究機関の予算は乏しく、山中伸弥所長も「期限付き雇用」を主張するしかないという現状がある。これでいいのか――。 問題の論文は、研究所の助教(36歳)がiPS細胞(人工多能性幹細胞)から脳の血管内皮細胞を作り出すことに成功したという内容だが、それを裏付ける実験データに多くの手を加え、根拠のない成果を作り上げたものだった。 iPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した山中伸弥所長も1月22日の記者会見で捏造を認めて謝罪している。研究所のホームページで山中所長は以下のコメントを出している。 「昨年(2017年)に発表された論文の一つにおいて、筆頭・責任著者であるiPS細胞研究所の教員(特定拠点
新聞社で長く科学報道に携わってきたジャーナリストが、学内を歩きながら、 大学の今を自由な立場で綴っていきます。 ベトナムのハノイ法科大学でこの秋、日本語で日本法を学ぶ、名古屋大学日本法教育研究センターの10周年を祝う式典があった。希望者の多い人気コースだが、法学部の通常のカリキュラムと合わせて学ぶので学生にとっては負担も大きい。毎年200人以上の志願者の中から25人が選ばれ、卒業までこぎつけるのはそのうち10人前後と、入るのも出るのも狭き門である。これまでに71人が卒業し、22人が名大など日本の大学院に進んだほか、日本企業や大学、政府など様々な場所で日本とベトナムをつなぐ人材として活躍している。 式典で祝辞を述べたレ・タン・ロン司法大臣は、センターができる前の英語コースで日本法を学んだ後、名大で博士号を取得した。自分の今があるのは名大で学んだおかげとしたうえで、ベトナムと日本の友好の架け橋
米国に本拠を置く学術情報会社「クラリベイト・アナリティクス」は20日、10月に発表されるノーベル賞の新たな有力候補22人を発表した。日本人では化学賞候補に、新型太陽電池として期待される「ペロブスカイト太陽電池」を研究する、宮坂力(つとむ)・桐蔭横浜大学特任教授(64)を選んだ。 宮坂さんは神奈川県出身。特殊な結晶構造の一種「ペロブスカイト」が太陽電池として使えることを発見し、2009年に報告した。材料を塗るだけでつくれたり、曲げたり半透明にしたりできるのが特徴で、次世代太陽電池の一つとして期待されている。 現在は耐久性などに課題があるが、コストが低く、窓や壁に貼るなど、従来のシリコン太陽電池とのすみ分けも目指せる技術だ。宮坂さんは「多くの人のつながりが研究を成功させたと考えています。研究が産業実用化に発展し、社会貢献を果たすのを見届けたい気持ちです」とコメントした。同じペロブスカイトの研究
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII、所長:喜連川 優、東京都千代田区)は、文部科学省、日本学術振興会と協力して作成・公開している科学研究費助成事業データベース「KAKEN」に、国際的に普及が進んでいる研究者識別子「ORCID」との連携機能を追加(下図)し、8月22日午前10時30分から公開を始めます。今回のORCID連携機能の追加により、NIIが提供してきた「研究者リゾルバー」の機能が「KAKEN」に集約されることになります。「KAKEN」への機能集約に伴い、「研究者リゾルバー」の公開は8月29日をもって終了する予定です。 図 「KAKEN」の研究者検索結果の画面にORCIDへのリンクが表示される 「ORCID(Open Researcher and Contributor ID)」は米国の非営利組織「ORCID, Inc」が管理する研究者の個人識別子で
科学史という研究分野をご存知だろうか。言葉をそのまま解釈すると、科学と歴史を組み合わせた学問というように捉えることができる。しかしながら、科学という言葉には多様な意味が含まれており、また歴史を調べるにしてもいつからいつまでの出来事をどのように分析するのか等、考える余地が多すぎるように思える。実際のところ、科学史研究はどのように進められているのだろうか。今回、国立科学博物館・有賀暢迪研究員に、科学史研究の基本的な考えかたや、実際の研究テーマに関してお話を伺った。 ーー科学史とは、何を明らかにするための学問なのでしょうか。 読んで字のごとく、科学の歴史を明らかにすることを目的としています。ただ、「科学」という言葉で何を指すかは、人によって違うのではないでしょうか。たとえば、教科書や論文に書かれているような知識そのものを「科学」と捉えることができます。この場合、科学的知見が得られて定着するまでの
ポスドク問題/「出口」対策が弱すぎる せっかく育てた人材を役立てられないのは、その個人にとっても社会にとっても不幸であり、損失である。大学院、とりわけ博士課程を終えた「ポストドクター(ポスドク)」の就職難を考えると、いかに日本社会が人材を粗末にしているかが分かる。 常勤の研究職が見つからないまま、3年や5年といった期限付きの研究職を渡り歩く。身分が不安定な上、大学院までに投じた学資と比べれば、収入は全く割に合わない。 有期の在任期間に成果を上げなければ、研究職を続けられない可能性もあり、精神的には常に追い詰められている。腰を据えた研究に取り組みにくい状況は学術研究のレベル低下をも招く。 博士課程修了者の就職難であるポスドク問題の根底には、国が進めた「大学院重点化計画」による定員の大幅な拡大がある。1993年度の大学院博士課程修了者は約7400人。それが今や1万5000人を超えるまでに増えた
世界のハイレベルな科学雑誌に占める日本の研究論文の割合がこの5年間で低くなり、世界のさまざまな科学雑誌に投稿される論文の総数も日本は世界全体の伸びを大幅に下回ることが、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」のまとめでわかりました。 それによりますと、世界のハイレベルな68の科学雑誌に掲載された日本の論文の数は、2012年が5212本だったのに対し、2016年には4779本と、5年間で433本減少しています。 また、世界のハイレベルな68の科学雑誌に掲載された日本の論文の割合は、2012年の9.2%から2016年には8.6%に低下しています。 さらに、オランダの出版社が集計した、世界のおよそ2万2000の科学雑誌に掲載された論文の総数は、2005年から2015年にかけての10年間で、世界全体では80%増加した一方で、日本の増加は14%にとどまり、日本は世界全体の伸びを大幅に下回っています。 特に、
2017年2月12日 岡山大学 田中 智之 追記:本記事をベースとして「帰ってきたガチ議論」サイトに記事「研究公正を推進するためには何が必要か?」を投稿しています(2017年7月25日付)。関連する資料を整理し、論点を絞りました。そちらではコメントをつけることができます。 研究機関における不正が発覚、あるいは内部告発があった場合、これを受けて機関の執行部ではどんな議論が起こるでしょうか。「直ちに予備調査を行い、疑義に合理性があると判断できれば、第三者調査委員会を設置しよう」研究公正という観点からはこんな意見が望ましいわけですが、組織防衛という観点からは次のような有力な反論ができます。この反論を抑えて公正な調査を実施するためには、研究機関の執行部が組織運営という観点からは全く合理性のない判断を下すほかありません。昨今の研究機関の運営は従来のように研究者のみで行われているわけではありませんので
2017.01.25 文科省では天下り問題が発覚していますが、研究者の問題は粛々と進めていきます。 ちなみに国立大学法人の役員・幹部への現役出向は、今年の一月一日現在、241名にのぼり、理事だけでも76名になることがわかりました。 ちなみに「事務局長」ポストに文科省から現役出向している国立大学法人は 北海道大学 室蘭工業大学 北見工業大学 弘前大学 岩手大学 宮城教育大学 福島大学 茨城大学 筑波大学東京キャンパス事務部長 筑波技術大学 群馬大学 埼玉大学 千葉大学 東京外国語大学 東京学芸大学 東京農工大学 東京芸術大学 東京工業大学 東京海洋大学 お茶の水女子大学副学長(事務総括) 一橋大学 長岡技術科学大学 上越教育大学 富山大学 金沢大学 福井大学 静岡大学 浜松医科大学 名古屋大学 愛知教育大学 名古屋工業大学 豊橋技術科学大学 三重大学 京都教育大学 京都工芸繊維大学 兵庫教育
半年くらい前に「研究者だけどしんどい」って愚痴を書いたものです。覚えている人はいないと思うけど、なんとなく現状を書いてみる。 結局、今も研究者をやっている。 あれを書いた後、いくつか嬉しいことがあった。憧れていた研究者が私の論文を引用してくれたり、私の論文を読んで連絡をくれてメールのやり取りをしたことのある海外の学生さんから、おかげで無事に論文が通って博士号を取れたという連絡があったり。この前、国際学会で発表をしたときには、自分の仕事が他人に見劣りする気がして、ひどいプレゼンをしてしまったけれど、「すごいデータだ、圧倒された」とわざわざ私のところに褒めに来てくれた人が何人かいた。先日も、ある海外の巨大プロジェクトの会議に紛れ込んで隅っこに座っていたのだけれど、ある有名研究者から「あなたがあの論文を書いた増田か?あなたの仕事は素晴らしい」と言われてびっくりした。自分の研究は、絶対に正しいと信
平成29年1月17日 このたび、科学技術・学術審議会学術分科会においては、科学研究費助成事業(科研費)の抜本的改革に関する二つの提言(「科学研究費助成事業の審査システム改革について」「科研費による挑戦的な研究に対する支援強化について」)を取りまとめましたので、お知らせします。 なお、これらの提言については、本日開催された学術分科会にて取り扱われています。 1.改革の経緯、提言の位置づけ 科研費は、全分野にわたり、研究者個人の自由な発想に基づく学術研究を助成する競争的資金です。 科研費改革は、学術をめぐる現代的要請に応える観点から、「科研費改革の実施方針」(平成27年9月29日学術分科会了承)に基づき、1. 審査システムの見直し、2. 研究種目・枠組みの見直し、3. 柔軟かつ適正な研究費使用の促進を柱として進められています。学術分科会では、1. については科学研究費補助金審査部会、2. につ
研究者、エボラ感染か=カナダ エボラウイルス=米疾病対策センター(CDC)提供(AFP=時事) 【オタワAFP=時事】カナダ外来家畜疾病センター(NCFAD)は8日、研究者の一人がエボラウイルスに感染した可能性があると発表した。実験室内で感染させた豚を運び、退室して除染する際、防護服の縫い目に裂け目が見つかった。 研究者は直ちに隔離され、21日間の経過観察に入った。NCFADが開発中のワクチンも投与された。施設が所在する南部ウィニペグ市で感染が広がる恐れは低いとNCFADは強調している。 (2016/11/09-08:56) 【国際記事一覧へ】 【アクセスランキング】
岡山大学で論文不正を告発した2名の教授が解雇された問題について、当ブログで不正告発の内容は妥当であったこと、「不正なし」と結論した調査委員会の判断には疑問が多々あることを指摘し、岡山大学が解雇したのは「解雇権の濫用」であり無効であるとの判断が岡山地裁から出された事を報告してきました。 岡山大学内の教職員が、この一連の件をどう受け止めているのかを知ることができるアンケート結果が公表されました。 現在、岡山大学では次期学長選挙が行われており、岡山大学教職員組合により現学長の業績に対する評価が行われました。 「岡山大学執行部森田体制の総括評価アンケート最終 まとめ」(PDF) http://oduion.sakura.ne.jp/m/q1608hm.pdf この中で、「薬学部問題」として不正告発をした教授らの解雇問題に対する大学内の教職員の意見が紹介されています。 肯定的に評価する意見は少なく、
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