「男尊女卑」のイメージを抱かれることも多い九州。そのジェンダーギャップ(男女格差)を地元経済団体が数値化して全国11地域で比較したところ、九州は3番目に格差が大きい地域だった。更に数値を読み解くと、深刻な現状も浮かび上がってきた。 九州に住んで知る現実 「お母さんなのに、そんなに仕事ができてすごいね」。関西から福岡県に転勤してきた40代の女性会社員は赴任当初、職場でそう褒められて驚いた。心の中で「育児や家事をするのは女だけなのか」と反論し、「これはリアル男尊女卑だ」と憤った。その後も仕事で接する男性の「上から目線」が気にかかっている。 内閣府が2015年に実施した意識調査で「理想の家庭」を尋ねたところ、「夫は外で働き、妻は家を守る」と答えた男性の割合が最も高い都道府県は、福岡県(51・9%)だった。ネット交流サービス(SNS)には、家事や育児をせず、女性が働くことに否定的な「九州男児」に対