国連の独立専門家は「戦争犯罪」という言葉を使い、ハマスとイスラエル双方を批判している[ハマスの襲撃によりイスラエルで死亡したタイ人労働者らの棺=2023年10月26日=タイ・バンコク郊外の空港](C)時事 パレスチナの国家性を認めるか、ハマスはパレスチナを代表する組織なのか、あるいはガザ地区は「被占領地」なのか。これらをどう認識するかによって、今回の紛争に適応される国際法も厳密には異なる。国際政治における各プレーヤーが「戦争犯罪」という言葉を使う時、そのプレーヤーの法的解釈も問われることになる。ただし、戦争犯罪であれ他の罪であれ、犯罪の責任はいつか必ず問われねばならない。それを裁く法廷において、並立する世界線は最終的に統一されるはずだ。 本紛争において「武力紛争」が存在するか。これは、前編で書いた各プレーヤーの法的前提に依存する。そもそもまず、イスラエルや欧米等は、いずれも相手を正式には「