「説明できない賃金格差(Unexplained Pay Gap)」。企業などでの理不尽な不平等を表したこの状況が近年、世界的に注目され、国際労働機関(ILO)も問題視しています。 フリマアプリ大手のメルカリは社内の状況をデータ分析し、グローバルな許容値を超える約7%に上っていたと9月に公表、必要な賃上げをしました。ジェンダー平等に向けて仕組みや運用を改善してきたのになぜ?と原因を探ると、世界的に男女の賃金格差が大きい日本の構造問題が意外な形で浮かび上がりました。 主導したのは、同社経営戦略室I&Dチームマネージャーの趙愛子さん(45)。かつて派遣社員として格差を体感した経験も踏まえた取り組みや思いを、インタビューで詳しく聞きました。 ――男女の賃金格差は、管理職の女性が少ないためだと一般には説明されがちです。そうした「説明がつく格差」ではなく、同じ等級や職種なのに差がある「説明できない格差