4千万部を超える漫画「進撃の巨人」の作者、諫山創(いさやまはじめ)さん(28)=大分県日田市大山町出身=は、「山の向こうへ」と都会に出て漫画家になった。その一方で、故郷への思いを強めている。11月に大山町であるイベント「進撃の里帰り」を前に地元への思いを聞いた。 「山の向こうに行きたい」 「家は梅栽培や稲作をする兼業農家で、幼いころから梅をちぎったり、稲刈りの手伝いをしたりしてきた」 日田市大山町は、人口3千人ほどの町。数十メートルに伸びたスギが林立する山々がそびえ、町の中央に大山川が流れる。実家のある集落は、住民のほとんどが顔見知り。家業を手伝いながら自然の中で遊び回った。ただ、疑問がふくらんだ。 「『みんなと同じようにすることが良い』とする風習に『何で?』と思っていた。みんながやることに従うのを強いられることに、窮屈さを感じていた」「その疑問に意固地になって、勉強もスポーツも好きになれ