東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出への対抗措置として中国が日本産水産物の輸入を全面停止したことを受け、日本政府が外交攻勢を強めている。放出を支持する国際原子力機関(IAEA)や関係国と連携し、中国の「孤立化」を浮き彫りにしたい考えだ。国内水産業への支援も強化する。 【図解】中国の複数の原発が福島第一「処理水」の最大6・5倍のトリチウムを放出している 放出開始から一夜明けた25日、林外相、西村経済産業相は、IAEAのラファエル・グロッシ事務局長とそれぞれテレビ会談した。林氏は「IAEAが福島にとどまるという強いメッセージに感謝する。日本政府としても安全性の確保に努める」と強調した。 IAEAは24日、原発に駐在する専門家が、最初に放出される処理水のトリチウム(三重水素)濃度を測定し、運用基準(1リットル当たり1500ベクレル未満)を大きく下回ることを確認した。グロッシ氏は林氏に対し