映画監督の榊英雄氏(51)や俳優の木下ほうか(58)に続き、有名映画プロデューサーが女優たちに「性加害」を行っていたことが「週刊文春」の取材で分かった。 「ヒミズ」「蛇にピアス」などをプロデュース その人物は、敏腕映画プロデューサーとして知られる梅川治男氏(61)。日本大学芸術学部映画学科在学中に自主映画制作を開始。卒業後は蜷川幸雄氏らが取締役を務める映像制作会社に入社し、1987年に「バタアシ金魚」で映画初プロデュースを果たす。1995年には映像企画会社「ステューディオ スリー」を創設。
――『宇宙戦争』は、スティーヴン・スピルバーグが1990年代後半に映画化を目論んだのですが、ローランド・エメリッヒの『インディペンデンス・デイ』(1996)に先を越されたので、10年近く寝かせていたという経緯があります。 押井 スピルバーグって、そういう企画を山ほどかかえた監督なんだろうね。あれもこれも全部やりたい。どういう順番でやろうかな、というさ。世界一成功して、世界一有名になった監督の贅沢な特権だけど、逆に言うと「いまこれでなければならない」理由が常にない。それがスピルバーグの欠点だよね。 ――鋭い指摘ですね。 押井 あらゆるものを手に入れて、自由まで手に入れてしまった。気がついたら「なにを真っ先に撮りたいか?」が分からなくなってしまった。スピルバーグは映画の申し子であり、映画ファンがそのまま映画監督になったような人だから、屈折がない。本人に屈折がないから、屈折がない子どもを映画のテ
日本では、なぜ「ナチスのモノマネを気軽にしてしまう人」が後を絶たないのでしょうか。 デリカシーのない日本人の発言の数々 筆者はドイツ人の父親と日本人の母親の間に生まれ、ミュンヘンで育ちました。日本に来てから約20年。思い返してみると、来たばかりの頃、「日本とドイツのハーフ」であることを伝えると、よくこうリアクションされたものです。 「日独ですか。日独といえば、日独伊三国同盟ですね!」と。その後、発言者の多くが決まって「わっはっは」と大爆笑するのでした。 「日独伊三国同盟」は筆者ももちろん知っています。しかしなぜ自己紹介の際、それを持ち出すのか不思議でなりませんでした。というのも、ドイツでは「ナチス政権時代に日本・ドイツ・イタリアが同盟を結んでいたことを喜ばしく思うような発言」はタブーだからです。 この発言者の多くは高齢者でした。現在では戦争や同盟のことをあまり知らない人が増えたせいか、同じ
2021年10月31日午後7時30分。高松市の中心部から20分ほど車を走らせた場所にある、小川淳也の選挙事務所に私はいた。 地元メディアの記者が私に耳打ちをしてくれた。「意外と早く出そうです」。「出そう」とは、当確のことだ。ほんまかいな。すぐに相棒の高橋秀典カメラマンに伝える。高橋の顔が引き締まる。 まさか8時に決まるとは…… 4年前の2017年の総選挙では、開票速報が始まった午後8時から結果が出た午前1時過ぎまでの5時間あまり、彼はほぼすべての時間カメラのスイッチを切らず、トイレにもいかず、事務所の状況を撮り続けた。今回も接戦が予想されていた。夕方にホテルを出るとき高橋は「テッペン(12時)くらいすかね。水分は控えとかんと」と、強い大阪訛りで言い、長丁場の撮影を覚悟していたのに……。 午後8時、開票速報が始まるや否や、テレビ画面の隅に「小川当確」のテロップが打ち出された。その瞬間、会場全
開会式の作曲担当を辞任した後は、関わってきた番組が放送を見合わせたり、楽曲の差し替えが次々と決定。8月にはフジロックフェスティバルの参加を見合わせるなど、表舞台から姿を消している。 9月上旬、小山田氏は取材場所に黒のパンツに白の半袖シャツ姿で現れた。精神的に追い詰められ、7キロほど痩せたという。小山田氏が言う。 「今回の騒動について、どこかのタイミングで、自分から説明をすべきだと考えていました。また改めて謝罪の思いも伝えたかった。ただオリンピック・パラリンピックには、僕のことで迷惑をおかけした関係者の方が大勢いらっしゃいます。話をするにしても、全ての行事が終了したタイミングにしたいと考えていました」 取材時は憔悴した様子だった ©文藝春秋 騒動の発端は開会式の9日前、7月14日に組織委員会が演出チームのメンバーを発表したこと。その一員に小山田氏の名前もあった。だがその直後、過去の雑誌のイン
会議には河野氏のほか、内閣府の山田正人参事官と、エネ庁の山下隆一次長、小澤典明統括調整官の3名が参加した。「週刊文春」はこの会議の様子を録音した約28分間の音声を入手。河野氏が山下氏と小澤氏を大声で怒鳴りつける様子が収録されていた。 議題となったのは、3年に一度見直しが行われる「エネルギー基本計画」だ。10月の閣議決定を目指す中、エネ庁は8月4日に素案を発表していた。 エネルギー基本計画の素案 経産省関係者が語る。 「エネ庁の素案では、2030年に総発電量のうち、再生可能エネルギーの比率を『36~38%程度』にすると記されています。これは2019年度の実績(約18%)の2倍に相当する、極めて高い目標値です。ただ、規制改革相として再エネ推進に取り組む河野大臣は『36~38%』が『上限』ではないという意味で、『36~38%以上』と明記するよう求めてきました」 会議の場で行われたのは、「程度」と
「主文。被告人を懲役2年に処する」 黒の短髪にスーツを着たやや小柄の男が、下を向いて裁判長の話を聞いている。首と手にはタトゥーを覆うようにベージュ色のテーピング。一見しても、この男がHIPHOP界を騒がせたプロデューサーであるMURVSAKI(ムラサキ)とは誰も気がつかないだろう――。 「文春オンライン」の取材で、MURVSAKIこと村上恭平受刑囚(32)が2020年11月29日に監護者わいせつ罪の容疑で名古屋市内で逮捕されていたことが分かった。村上被告は、後に児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、東京都青少年の健全な育成に関する条例違反でも追起訴された。2021年3月4日から公判が始まり、同年6月10日に懲役2年の実刑判決を受けた。現在は刑務所で服役中だ。
HIPHOPの人気トラックメーカー・MURVSAKIこと村上恭平受刑囚(32)が2020年11月29日に監護者わいせつ罪の容疑で名古屋市内で逮捕された事件。村上被告は、後に児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、東京都青少年の健全な育成に関する条例違反でも追起訴され、2021年3月4日から始まった公判で2021年6月10日に懲役2年の判決を受け現在は服役中だ。 ※村上受刑囚が犯した「監護者わいせつ罪」とは「18歳未満の者に対し親や保護者など監護する者が監護者であることによる影響力に乗じてわいせつな行為をする」犯罪を指します。加害者と被害者の関係性が密接なため加害者名を公表するとわいせつ行為を受けた被害者が特定される可能性が高いため、プライバシー保護の観点から一般的に加害者の実名は裁判などでも公表されません。しかし本記事では、事件の悪質性・重大性を鑑
読売新聞8月13日の紙面 膨らんだなぁ。コンパクト五輪とは何だったのか。 五輪経費問題を「RIZAP」のCMで見せたら そういえば「文春オンライン」の取材で、首相のブレーンでオリパラ事務局の最高責任者である内閣官房参与・平田竹男氏が「RIZAP GOLF」でゴルフレッスンを無料で受けていたことが判明。その金額は推定457万3800円。 RIZAPは平田氏が事務局長を務めるオリパラ事務局が主導する「beyond2020マイベストプログラム」の認定を受けていた。つまり平田氏とRIZAPは利害関係にある。 RIZAPと仲良くするなら、五輪経費問題もあのCMで見せたらわかりやすいのではないか? 最初はスリムだったけどブクブクに膨らんだ東京五輪師匠。その逆バージョンは衝撃に違いない。
松田 『風の谷のナウシカ』(84)でアスベル役を演じたからオファーされたとは思います。ただ、当時の段階で『風の谷のナウシカ』から10年以上が経過していたので、僕の声がふさわしいかどうか確認するためにひとまず声を録音して絵に当てて確認をしたいと。それでスタジオに行って録音をする作業があったようなんです。 でも、確認してダメだったという可能性もありえたわけですよね。そこで事務所は、僕に気を使ったのか「宮崎駿監督の新作のオーディションがある」と伝えていました。それを素直に捉え、僕もキャストのひとりとしてのオーディションという認識で臨んだんですよ。 ――アシタカが主人公であることも知らなかった。 松田 知らなかったし、考えてもいなかったです。他に受けている人が見当たらなかったけど、ひとりずつ時間をずらしてオーディションしているのかなと思ったくらいで。アシタカという少年のキャラクターや主人公であるこ
初心者へのコーチングで、仲間内で「上下関係」が 初心者が練習に打ち込んでいると、いつの間にか後ろにポジショニング。タイミングを見計らいつつ、同じ趣味を持つ仲間という雰囲気で声をかけ、自己流のアドバイスを始める……。 このような行為は、見方によっては「気さくで、教え好きな親切な人」でもあるのだが、なぜ最近になって「教え魔」として問題視されるようになったのか。 プロコーチの資格を持ち、都内のボウリング場で働く赤塚一紀さん(仮名)に話を伺った。 「上級者が初心者に対してアドバイスすることは自然なことで、何も悪いことではないと思います。ただし、アドバイスしていいのは初心者から『教えて欲しい』とお願いされた場合に限るんです」 教え魔の「魔」たる所以は、自分から「教えてあげようか」と近づき、知識や経験でマウンティングしてくるからなのだ。 「ボウリング場で多いのは、見ず知らずの人にいきなり声をかけるタイ
最近、日本ではIOCのトーマス・バッハ会長の評判がすこぶる悪いです。 まず東京で緊急事態宣言が発令中であった3月、同氏が東京オリンピック・パラリンピックについて「安全で確実」に開かれると発言したことが問題になりました。 その後4月末に行われた5者協議の挨拶では、「歴史を通して、日本国民は不屈の精神を示してきました。逆境を乗り越えてきた能力が日本国民にあるからこそ、この難しい状況での五輪は可能になります」と無根拠な発言をさらに繰り返したことから同氏の評判はガタ落ち。どこか「日本人は褒めておけばいいや」と言いたげな、上から目線な物言いに筆者は嫌なものを感じました。 母国ドイツでの評判は? ところでバッハ会長、彼の母国ドイツでの評判はどうなのでしょうか? バッハ会長はもともとフェンシングの選手。1976年のモントリオールオリンピックでは金メダル(フルーレ団体)を獲得しています。 ただ近年の彼はス
今、女性芸人の世界が揺れている。女性芸人といえば、当たり前のように「ブス」「デブ」「非モテ」をいじられ、そこで強烈なインパクトを残すことが成功への足がかりとされてきた。 しかし、持って生まれた容姿や未婚か既婚かどうかの社会属性などを「笑う」ことに対して、今世間は「NO」という意思表示をし始めている。「個人としての感覚」と「テレビが求めるもの」、そして「社会の流れ」。三つの評価軸の中に揉まれながら、女性芸人たちは新たな「面白さ」を探し始めている。 ◆ 「本当に今から会うのか」インタビュー会場である大分のホテルについてからも、不思議な気持ちは消えなかった。中島知子。2000年代のテレビバラエティで見ない日はなかった超売れっ子芸人。女性芸人たちの足跡を辿る当特集【女芸人の今】で、どうしても取材したかった一人である。 今は九州・大分を拠点にタレントとして活動しているという。会場に姿を表した中島は笑
新型コロナウイルスの感染者が爆発的に増え続ける大阪府。累計死亡者が1700人を超え、今なお入院もできず、自宅やホテルでもがき苦しむ重症者が数多く存在する。5月上旬の7日間の大阪府の死者数は人口100万人あたり22.6人。インドの同16.5人を上回っている。その最前線に立つ看護師たちの本音とは――。 大阪府内の病院の救急科で日夜、重症者対応に追われる看護師・Aさんが現状を吐露する。 「私たちが限界と言ったらいけない……そんな思いでなんとか踏ん張っていますが、正直言ってしんどいですよ。できることならもう辞めたい。疲れた……。通常の3倍、4倍の業務量なので、日勤も遅くまで残業したり、16時間にも及ぶ夜勤は普通、仮眠を2時間ほど取れるのですが、それも取れていません。17時に入って、入院対応や急変対応しているうちに気がつけば午前0時になっているとか、酷い日は午前3時、4時になっているなんてこともざら
父親は「おとなしい子だったので信じられない」 中国で逮捕された主犯の王亮(犯行時21、以下同)には、共犯の楊寧(23)の逮捕に至る情報提供の協力があったとして無期懲役の判決が下された。また楊には死刑判決が下され、05年7月に刑が執行されている。一方、日本で逮捕された魏巍(ギギ=中国読みはウェイウェイ、23)にも死刑判決が下され、19年12月に刑が執行された。 この事件を取材していた私は、03年8月に逮捕された魏が、犯行への関与を自供した直後の9月16日、中国・河南省にある魏の実家に通訳を介して電話を入れ、息子の逮捕を知らずにいた父親に事件のことを伝えている。 「まさか……。おとなしい子だったので信じられない……。息子から最後に電話を受けたのはもう何カ月も前です。ただ、日本にいる息子の友だちの母親から、うちの子が8月中旬に中国に帰ってくるかもしれないと連絡を受けていました。それなのに帰ってく
※本記事では3つの中学校が登場します。X中学校は、廣瀬爽彩(さあや)さんがイジメを受けた後に転校した学校。Y中学校は2019年4月から9月まで、イジメをうけた時に在籍していた学校。Z学校は、加害者生徒のC男、D子、E子が通っていた学校です。 また本記事では廣瀬爽彩さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。 「爽彩さんが亡くなったことを受けて、もう一度、命の大切さについて私のほうから生徒たちに伝えよ
「40歳を前にして、子供が欲しい、結婚したいと強く思うようになり、婚活アプリに登録しました。そこで出会ったのが“X”でした。本気で結婚するつもりでしたが、まさか私のほかに何人も女性がいて、さらに妻子もいて、経歴も年齢も全てウソだったなんて……。ショックでしばらく立ち直れませんでした」 取材班にそう語るのは、美容関係の会社を経営するA子さん(41)。真矢ミキ似の顔立ちにロングヘアが似合う女性だ。 取材班の前には、A子さんを含む4名の女性が一堂に会している。彼女たちが口を揃えて怒りを露わにしている人物「X氏」とは、大手広告代理店・電通に勤める48歳のある男性のことだ。4人は全員、かつてX氏と恋人関係にあったが、驚くことに、4人の中の2人は現在、X氏に対する損害賠償を求める民事訴訟の真っ最中であり、もう1人も名古屋で訴訟の準備を始めているという。
※本記事では3つの中学校が登場します。X中学校は、廣瀬爽彩(さあや)さんがイジメを受けた後に転校した学校。Y中学校は2019年4月から9月まで、イジメをうけた時に在籍していた学校。Z学校は、加害者生徒のC男、D子、E子が通っていた学校です。 また本記事では廣瀬爽彩さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。 「(ウッペツ川に飛び込んだ事件について)お母さんの認識はイジメになっていると思いますが、事実
〈皆様のご協力ありがとうございました。今日娘は残念な姿ではありますが見つかりました〉 住宅街には1メートル近い積雪が残り、春の到来はまだ遠いと感じられる3月下旬の北海道・旭川市。わずかに解け始めた市内の公園の雪の中から、市内に住む中学2年生、廣瀬爽彩(さあや)さん(14)が、変わり果てた姿で見つかった。最愛の娘を亡くした母親は、自身のSNSで辛い胸の内を冒頭のように綴った。 ※本記事では廣瀬爽彩さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだ
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