発がん性の疑いがある有機フッ素化合物(PFAS(ピーファス))を巡り、大阪府摂津市の市民団体が8日、同市内の土壌汚染や健康被害を調査するよう求める要望書を2万3788人分の署名とともに環境省に提出した。大阪府などによると、ダイキン工業(大阪市)の摂津市内の工場がPFASの一種PFOA(ピーフォア)を大量に排出し、周辺の地下水や用水路から高濃度のPFOAが検出されている。 大阪府が2022年8月に実施した調査では、摂津市内の地下水から最大で1リットル当たり約2万1000ナノグラム(ナノは10億分の1)のPFOAを検出。国が定める暫定指針値の420倍に相当する。京都大の原田浩二准教授らの調査によると、地元住民の血液や農作物には高濃度のPFOAが含まれていた。 要望書では「市内の地下水が農業用水として利用されている」として、土壌汚染や地域住民全体に対する健康被害の調査などを求めた。市民団体の谷口