これまで、高齢化と人口減少に向けた秋田県のさまざまな取り組みを紹介してきた(ページ下部の連載リンクを参照)。 今回は、個人が製作した非常にシンプルな水田のIoT水位監視システムの例を紹介しよう。 80枚の水田管理のために朝夕に見回り 五平農園(秋田県由利本荘市)の佐々木亨さんは、水田の畦に立て、遠隔地から用水路をウェブカメラで監視する装置を開発した。周囲の農家が離農するのに伴い、経営する水田面積が広がり、見回りが難しくなってきたため。 佐々木さんは元プログラマー。大分や東京の会社で勤務した後、10年前に現在の場所で実家の農業を継いだ。経営の概要は水稲のほか、ハウスで作る200坪のミニトマトと200坪のほうれんそう。 水田面積は就農してからしばらくは当初の2ヘクタールから微増する程度だった。面積を増やしたくてJAに相談したこともある。それが、5年前くらいから放っておいても周りからの委託が増え