日本の城を知り尽くした城郭ライター萩原さちこさんが、各地の城をめぐり、見どころや最新情報、ときにはグルメ情報もお伝えする連載「城旅へようこそ」。今回は米子城(鳥取県米子市)の第2回です。かつて大小二つの天守がそびえていたこの城のポイントは、石垣に刻まれた時代の変遷です。 【動画】米子城の石垣を見る 歴史の変遷語る改修痕、随所に <気分は大航海!360度のパノラマが広がる絶景の海城 米子城(1)から続く> 米子城のもうひとつの魅力は、変遷の歴史を物語る改修の痕があちこちに残されていることだ。宝探しのようにその片鱗(へんりん)を見つけることで、さまざまな時代の姿に出合え、城を通して社会の変化を知ることもできる。 出雲(現在の島根県)・伯耆(ほうき、現在の鳥取県中・西部)の境に近い立地ゆえ国境警備の城として機能したようで、1615(元和元)年の一国一城令の後も廃城にならずに存続を認められている。