令和3年10月12日 国際農研 モーリタニア国立サバクトビバッタ防除センター フランス国際農業開発センター モロッコ国立サバクトビバッタ防除センター サバクトビバッタの特異な繁殖行動を解明 ― 農薬使用量の減少に繋がる効率的な防除が可能に ― 国際農研は、モーリタニア国立サバクトビバッタ防除センター、フランス国際農業開発センター、モロッコ国立サバクトビバッタ防除センターと共同で、野外においてこれまで不明だったサバクトビバッタ(以下、バッタ)成虫の交尾と産卵行動を明らかにしました。 サハラ砂漠で野外調査を行った結果、性成熟したバッタの成虫は、雌雄どちらかに性比が偏った集団を形成していました。メスに性比が偏った集団では、ほとんどのメスは卵巣発達中で、交尾していませんでした。一方、オスに性比が偏った集団では、メスは産卵直前の大きな卵を持っており、ほとんどが交尾していました。詳しく調査したところ、
明治大学大学院農学研究科 環境バイオテクノロジー研究室の西井麻貴(博士前期課程1年)、小山内崇准教授らの研究グループは、ラン藻におけるクエン酸蓄積の要因を明らかにしました。 ● ラン藻のクエン酸回路の代謝産物のうち、クエン酸の濃度は他より高いことが知られていたが、その理由は明らかになっていなかった。 ● ラン藻のアコニターゼという酵素の特性を生化学的に解析した結果、ラン藻のアコニターゼは、クエン酸よりイソクエン酸に対して親和性が高いことが分かった。 ● 生物学の教科書で習うクエン酸回路と酵素の活性は、実際は異なることが明らかになった。 光合成を行うラン藻は、二酸化炭素から有用物質を生産できるため、化石燃料に代わる持続可能な物質生産に向けて、近年注目されています。ラン藻の中でも、シネコシスティス注1は、モデルラン藻として基礎研究から応用研究まで広く研究されています。 近年、シネコシスティスの
井垣達吏 生命科学研究科教授の研究グループは、大澤志津江 名古屋大学教授、赤井菜々美 同研究員らの研究グループと共同で体の成長に遅れが生じた際に、翅成虫原基と呼ばれる組織が、自らの細胞を殺しながらその分余分に細胞をうみだす「細胞の入れ替え(細胞ターンオーバー)」をさかんに行い、これにより、体の成長速度の遅さと足並みを揃えることを発見しました。 成長中の体が様々な撹乱に対処する過程で、そのプロセスに遅れが生じることがあります。しかし、組織を構成している細胞集団が、個体の成長遅延に対してどのように対処し、正常に発生しているのか、その仕組みはわかっていませんでした。本研究グループは、幼虫期の成長が遅いショウジョウバエMinute変異体(※進化的に保存された一連のリボソームタンパク質遺伝子の機能欠失変異をヘテロにもつ変異体の総称)をモデルとして用い、ショウジョウバエ幼虫の成長が遅れた際に、翅成虫原
近年の急速な合成生物学の進歩によって、生命の設計図ともいわれる遺伝子を、新素材のレシピとして使うことを可能になっています。 生物の能力を新素材に取り込むことで、既存の非生物学的な素材には獲得不可能であった特性を得ることができるのです。 中でも自己修復能力は非常に生物的な能力であり、幅広い分野で活躍すると期待されています。 そこで今回、合成生物学の研究者たちは、イカの環歯(吸盤の中にあるリング状の歯)の再生能力を改良し、損傷を1秒以内に自己修復する柔らかい新素材を開発しました。 これまで多くの自己修復能力を持った素材が開発されてきましたが、どの素材も修復には数時間から数日を必要とし、多くは修復後の強度が低下します。 しかし今回、イカの環歯を元に開発された新素材は、損傷を瞬く間に修復するだけでなく、修復後も以前と変わらず100%の強度を維持し続けることがわかりました。 生物の特性を持つ新素材は
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