芸術活動を支援する「骨董通り法律事務所」に所属する寺内康介弁護士の協力のもと、連載中の「ポップカルチャー×法律 Q&A」シリーズ。 第4回は、音楽、とりわけヒップホップでよく耳にする(そして争点のもとにもなりがちな)制作手法である「サンプリング」をテーマに取り上げる。 サンプリングは、他者の音源やメロディを借用して新たな楽曲を生み出す手法として、ヒップホップ文化に欠かせない。だが、法的には複雑な問題を孕んでいるのも実情だ。「サンプリング」「オマージュ」「パクリ」……ラッパー同士の衝突、あるいはファン同士の感想戦でも、各人が己の定義のもとに語り合っている。 日本のヒップホップシーンにおいては、近年では「パクリ」疑惑に端を発するディスからビーフ(互いに曲で批判すること)に発展したBAD HOPと舐達麻の騒動も記憶に新しい(参考)。あるいは、ロックバンド・Novelbrightのボーカルをつとめ
Published 2024/04/15 21:16 (JST) Updated 2024/04/15 21:32 (JST) ウルトラマンに酷似した画像を作る生成AIサービスを行った事業者に対し、中国の裁判所が著作権侵害を認定し、損害賠償などを命じる判決を出した。円谷プロダクション(東京)などへの取材で15日分かった。生成AIによる著作権侵害を懸念する声もある中、関心を集めそうだ。 ウルトラマンシリーズの著作権者である円谷プロによると、原告は、同社から中国でのライセンスを受けた代理店。無関係の現地事業者によるインターネット上のサービスで、現地で人気の「ウルトラマンティガ」と酷似した生成AIによる作成画像を昨年発見した。許可なく著作物をAIに学習させて生成したとして、この事業者にサービス停止や損害賠償を求め、今年1月に提訴した。 広州インターネット法院(裁判所)は2月8日、著作権の侵害を認
モーリス・ラヴェルの相続人は、《ボレロ》が2051年まで著作権が保護されるよう訴える。 莫大な”金”が絡む裁判—— モーリス・ラヴェル (1875-1937) モーリス・ラヴェルが作曲した最大の「ヒット曲」とも言える《ボレロ》。2016年、フランス国内では《ボレロ》を含むラヴェルのおよそ半数の作品の著作権が消滅しました。ラヴェルの代表作であるこの《ボレロ》を巡って、著作権の復活と延長を図ろうと、ある裁判がフランスで始まります。 以下は先日フランスで報道された新聞記事(ル・フィガロ紙、2024年2月9日付)を元に要約・再構成してお伝えするものです。日本モーリス・ラヴェル友の会では6年前にこのラヴェルの著作権問題を問うドキュメンタリー映像の日本語訳台本を掲載したこともあり、今回の報道ではドキュメンタリーで追った内容が再出されています。改めてこの厄介で「糸が絡まるような」ラヴェルの著作権問題の複
Published 2024/01/16 17:37 (JST) Updated 2024/01/16 17:51 (JST) 将棋のタイトル戦で棋譜を盤面図に再現した動画を配信した男性ユーチューバーが、日本将棋連盟の出資を受ける「囲碁・将棋チャンネル」の申請で動画が削除されて配信収益が損なわれたとして運営事業者に約340万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は16日、「動画の棋譜は客観的事実で自由に利用できる」と認め、約118万円の賠償を命じた。 判決は、著作権侵害を理由としたチャンネル側の削除申請は虚偽事実の告知に当たると指摘。申請を撤回し、動画が著作権を侵害していることを第三者に告げてはならないことも命じた。 チャンネル側は「判決内容を確認できていない」、原告側の代理人弁護士は「判決は確定しておらず、被告側の控訴も考えられる」として、いずれもコメントを控えるとしている。
11月28日、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を開発した米新興企業オープンAIが取締役会の刷新に関し、出資企業であるマイクロソフト(MS)やベンチャーキャピタルのコスラ・ベンチャーズとスライブ・キャピタルなどに取締役の派遣を打診しない見込みだ。2月3日撮影のイメージ写真(2023年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration) [21日 ロイター] - 米オープンAIとマイクロソフト(MSFT.O)が、ノンフィクション書籍を無断で人工知能(AI)の学習に利用したとして作家から集団訴訟を起こされた。 原告側の代表者で作家のジュリアン・サンクトン氏は、オープンAIが何万冊ものノンフィクション書籍を著者の許可なく、大規模基盤モデルに文書編集への対応を教えるためにコピーしたと主張し、マンハッタンの連邦裁判所に訴状を提出した。 サンクトン氏は、オープンAIに多額を投資するととも
文章や参考画像を入力するだけで好みの画像を生成できる画像生成AIの開発が急速に進んでいますが、画像生成AIには「人間のアーティストの著作権を侵害しているのではないか」という意見も投じられており、著作権に焦点を当てた訴訟が複数展開されています。そんな中、北カリフォルニア地区の裁判所がStable DiffusionやMidjourneyを相手取った集団訴訟を棄却しました。 AI COPYRIGHT LAWSUIT mtdruling.pdf (PDFファイル)https://fingfx.thomsonreuters.com/gfx/legaldocs/byprrngynpe/AI%20COPYRIGHT%20LAWSUIT%20mtdruling.pdf Judge pares down artists' AI copyright lawsuit against Midjourney, S
2023年7月24日 一般社団法人日本音楽著作権協会 (JASRAC) 生成AIと著作権の問題に関する基本的な考え方 日本音楽著作権協会(JASRAC)は、7月5日の理事会での決議に基づき、次のとおり「生成AIと著作権の問題に関する基本的な考え方」をまとめ、発表いたしました。 JASRACは、クリエイターが安心して創作に専念できるよう、創造のサイクルとの調和が取れたAI利活用の枠組みの実現に向けて検討や提言を行ってまいります。 1 人間の創造性を尊重し、創造のサイクルとの調和を図ることが必要です。 生成AIの開発・利用は、創造のサイクルとの調和の取れたものであれば、クリエイターにとっても、文化の発展にとっても有益なものとなり得ます。 しかし、クリエイターの生み出した文化的所産である著作物が生成AIによって人間とは桁違いの規模・スピードで際限なく学習利用され、その結果として著作物に代替し得る
Threadsは6日のサービス開始から7時間で登録者数1000万人を突破。仕様変更が相次ぐTwitterからの移行先として注目を浴びている。ヤフーやセガなど、公式アカウントを開設する日本企業も出始めている。 関連記事 JASRAC、徴収額が過去最高に ネット配信がけん引 1290億円超え 日本音楽著作権協会(JASRAC)は24日、2022年度の事業内容を報告した。楽曲の使用料徴収額は1290億1000万円、分配額は1256億4000万円といずれも過去最高になった。 JASRACとGoogleが連携強化 YouTubeの「Content ID」本格活用へ 日本音楽著作権協会(JASRAC)とGoogleは、YouTube上でのJASRAC管理楽曲の利用について、新たな許諾契約を締結したと発表した。音楽クリエーター、音楽出版社など権利者へのより正確な分配を図るため、YouTubeの「Cont
ゲームをする様子を動画投稿サイトで配信する「ゲームプレー動画」の人気が高まる中、著作権を持つ会社の許可を得ずにプレー動画を投稿したとして、名古屋市のユーチューバーが著作権法違反の疑いで逮捕されました。 警察によりますと、「ゲームプレー動画」をめぐる著作権法違反事件の摘発は全国で初めてだということです。 逮捕されたのは、名古屋市千種区の自称、ユーチューバー、吉田忍容疑者(52)です。 警察によりますと、吉田容疑者は去年6月から7月にかけて、東京にある会社が著作権を持つアドベンチャーゲーム「STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん」について、ゲームをする様子などを動画投稿サイトのYouTubeで無断で配信したとして、著作権法違反の疑いが持たれています。 ゲームのあらすじなどを公開していたということで、警察の調べに対し「違法と分かっていながら動画を投稿したことは間違いない」と供述し、容疑を認め
Stable DiffusionやMidjourneyといった画像生成AIや、ChatGPTのようなチャットAIの登場により、AIはますます人々の生活に浸透しています。新たに、AIを用いて著名アーティストの声を模倣し、既存の楽曲やオリジナル曲を歌わせることが流行りつつあると、テクノロジーメディアのMotherboardが報じています。 Inside the Discord Where Thousands of Rogue Producers Are Making AI Music https://www.vice.com/en/article/y3wdj7/inside-the-discord-where-thousands-of-rogue-producers-are-making-ai-music AIを用いて著名アーティストの声を再現し、この合成音声にオリジナルの楽曲や既存の楽曲を歌
Published 2023/04/27 20:46 (JST) Updated 2023/04/27 21:03 (JST) インターネット上にある画像の特徴を学習し、入力した文章や単語に近い画像を生成する人工知能(AI)を巡り、イラストレーターらでつくる団体が27日、東京都内で記者会見し、著作権が侵害されていると訴えた。学習で使用する前に著作権者の許可を得るよう義務付けたり、対価を還元する仕組みを作ったりするよう、政府に法規制を求めるとしている。 記者会見したのは、約30人が参加する「クリエイターとAIの未来を考える会」の理事、木目百二さん(20)ら。画像生成AIによって似た絵柄が大量に複製されたり、児童ポルノ生成などに悪用されたりする被害があるという。
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